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2023/11/01

創立記念行事

11月1日は本校の創立記念日です。
今年度は「清心学園における過去・現在・未来のつながりを大切にする」をテーマに、学園の歴史を振り返りました。
今まで学園を支えてこられたすべての方々への感謝の気持ちを持って、現在の学校生活や将来の自分の生き方へ思いを馳せました。
本校を訪問中のCatholic Regional College Caroline Springs (Australia)の生徒や教員の方々の紹介の後、創立記念ミサが行われました。

ミサはカトリック倉敷教会のシルベスタ神父の司式で行われ、ミサの終わりには中高各学年と教職員へ祝福をいただきました。
神父様はミサの中で朗読された聖書の箇所(下記参照)を用いて、多様性の中で一致する大切さを話してくださいました。

[コリントの信徒への手紙Ⅰ 12章12~26節より抜粋]
体は、一つの部分ではなく、多くの部分から成っています。
足が、「わたしは手ではないから、体の一部ではない」と言ったところで、体の一部でなくなるでしょうか。耳が、「わたしは目ではないから、体の一部ではない」と言ったところで、体の一部でなくなるでしょうか。
もし体全体が目だったら、どこで聞きますか。もし全体が耳だったら、どこでにおいをかぎますか。
そこで神は、御自分の望みのままに、体に一つ一つの部分を置かれたのです。(中略)
神は、見劣りする部分をいっそう引き立たせて、体を組み立てられました。それで、体に分裂が起こらず、各部分が互いに配慮し合っています。
一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです。

現在、世界では戦争が起きている地域もあり、その原因の多くが互いの違いを認め合えないことにあります。
聖書の朗読箇所にもあるように、体はたくさんの部分が集まって、互いを尊重して完成しています。それは私たちが生きている世界も同じです。
違いはあれど、誰もが尊重されるべき存在であることを忘れず、争いではなく一致の糧として多様性を認めていきたいものです。

創立記念講演として、国立療養所邑久光明園でソーシャルワーカーを務められている坂手悦子先生にご来校いただきました。
療養所入所者の方々やご家族との交流、ハンセン病の歴史などを聞き、差別のない社会について考える機会となりました。
例えば、ハンセン病患者だった川柳作家 中山秋夫さんの作品「もういいかい 骨になっても まあだだよ」などを紹介され、病気から回復したり亡くなった後でさえも社会復帰が難しかった時代を知りました。
社会に根付いてしまった偏見や差別、病気への正しい知識の不足などにより、社会から隔離された悲しい歴史を繰り返さぬよう、私たちは知り、広め、過ちを繰り返さないことが大切なのです。

「人は誰でも心の中に差別の根っこを持つ。その根っこを本物の差別に育てないことが大切だと思う。」(坂手悦子先生 朝日新聞デジタルより)
このメッセージを受け取った私たちが、過去から学び、現在の社会について考え、未来の担い手として発信していけるよう努めていきたいと感じました。