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【中学】人権教育
本校では、毎年人権教育として様々な取り組みを行っています。
例えば、昨年度はアメリカの法律家 ルース・ベイダー・ギンズバーグ氏の生涯を描いたドキュメンタリー映画を視聴し、男女平等の社会について考えました。
今年度は、3学期に実施予定の中学生徒会企画「1day私服デー」に関連付けて児童養護施設の様子を8年にわたって密着して描いたドキュメンタリー『隣る人』を視聴しました。
1day私服デーでは、私服で登校することで個々の違いや多様性を認め合い、活動意図への理解を募金という形で示します。
今までは社会福祉法人や子ども食堂へ募金していましたが、今年度は同世代の子どもたちに目を向け、自分たちにできる社会貢献をしたいと考え、県内の児童養護施設への募金に決めました。
自分にとっての「隣る人」とは誰なのか、自分は誰の「隣る人」になれるのかを心に留め、作品を鑑賞しました。
多様な理由を抱えて児童養護施設で生活する子どもの様子を見て、生徒は自分が家族と共に生活できる幸せを改めて感じました。
特に本物の家族から無条件に与えられるべき愛情を他者と分け合わなければいけない子どもたちの様子は、自分たちの恵まれた環境に考えを巡らせるよい機会となったようです。
また親代わりを務める保育士と、その存在に救われている子どもの関係性は、本当の家族ではないからこその困難があるうえ、児童養護施設というシステムや運営の都合上、担当者の変更もあり自分の軸となる大きな存在を失う様子が見られました。
本当の家族と再び暮らそうとしても、離れていた期間が長ければ心の距離が縮められず、結局共に暮らせない家庭も描かれていました。
このように多様な家族の在り方がひとつの児童養護施設のなかにもあり、それを理解し、互いを尊重して子どもたちは暮らしているのを強く感じました。
作中で施設の子どもたちに送られた「独りではない」「悲しみや苦しみに負けない強さを鍛えてほしい」というメッセージが印象に残っています。
1day私服デーの事前学習も兼ねた『隣る人』の視聴で、自分たちが寄付をする相手について知ることができました。
また児童養護施設で暮らす子どもたちへの正しい理解を持ち、家族への感謝を忘れずに日々を過ごせればと思います。