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2023/11/13

「集まれ! 理系女子」

 清心中学校・清心女子高等学校主催の「集まれ!理系女子 第15回女子生徒による科学研究発表交流会」の東海大会(11月11日(土))および全国大会(11月12日(日)」を開催しました。(詳細や関連画像は本校SSHのHPにも掲載されていますので、こちらも御覧ください。)
 「集まれ!女子生徒による科学研究発表交流会」は、平成21年度(本校第1期SSH4年目)より実施しています。第1回は広島県にある福山大学の施設で実施し、その後は京都大学、慶應義塾大学、学習院大学そして早稲田大学において全国大会を実施しました。今年度の全国大会は、昨年度に引き続き東京都立大学で開催させていただきました。さらに、平成29年度から参加者の少ない地域を選定した地方大会も実施しています。今年度の東海大会は、昨年度と同様に静岡北高校(SSH校)と連携させていただき、静岡コンベンションアーツセンター「グランシップ」で開催しました。
 この「集まれ!理系女子 女子生徒による科学研究発表交流会」は、女子生徒の皆さんが日頃の研究活動の成果を発表し、分野・地域を越えた研究交流を行い、友好・仲間意識を培う場を提供することを目的としています。また、第一線で活躍される女性研究者の先生方から御講演や御講評をいただき、全国的な課題研究のレベルアップにも貢献してきました。

東海大会・研究者との交流会
東海大会・ポスター発表
全国大会・高橋 文 先生の講演
全国大会・女子生徒間での交流

 さて、現在、科学技術系の女性研究者の育成の必要性が大学や研究機関あるいは一般企業だけではなく、国・文部科学省からもあげられています。他の先進国に比べても、我が国の科学技術系の女性研究者が極端に少ないという現状の原因としては、いくつかの事柄が考えられています。
 私見ですが、その一つに、女子生徒と理数科教育に関するステレオタイプ思考あるいはジェンダーイメージがあるのではと思います。「女子生徒は国語や英語は割と得意だが、物理や数学は苦手なはず」「進路選択では女子は文系の方が無難」という偏った考え方を幼少から親や教員から聞かされ、生徒本人もそのように思い込んでしまっている可能性があります。
 もう一つは理科や数学の教え方や学び方に関する問題です。私は、理科や数学に関しても、男子生徒と女子生徒の間には能力的な差はないと考えます。しかし、理科や数学での新しい教授内容の導入や展開については、その理解しやすさや受け入れやすさ等において、男子生徒と女子生徒とでは違いがあるのではないかと思います。そして、その違いに留意した教授法を研究する必要があるのではないかと感じています。
 このような理数系教育におけるジェンダーギャップの問題については、12月に奈良教育大学の先生方と連携して教育研究会を開催する予定です。