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2015/11/30

「女性」にてワークライフバランスを考える

総合的な学習の時間を使って実施される発展科目「女性」の授業では、社会の中にある「女性」への抑圧的な考えやジェンダー、女性学に関して学びます。先日の授業では岡山大学大学院社会文化科学研究科の中谷文美先生より「オランダと日本の女性の生き方比較」という講義を受けました。
まず最初に「日本は男女平等になっているか?」というタイトルで互いに話合いを進めました。その際に「男性の方が優遇されている」「女性の方が優遇されている」と考える理由を考えることによって、実際の社会には性別によって期待が違うこと、それによって私達の行動が狭められていることを再認識しました。今現在、就職活動などにおいて「ワークライフバランス」という言葉は重要なキーワードとなっているそうです。10年以上オランダにおいて研究を重ねた先生より、オランダの事例を学び、ライフステージの変化に応じて働き方を選択出来る社会について見識を深める時間となりました。
~生徒の感想~
○オランダでは長時間働く人がとても少ないのに対し、逆に日本では世界でとびぬけて長時間働く人が多いことを初めて知りました。また、日本では両親が共働きしている場合はほとんどの家庭では平日毎日保育所に通わせているけれども、オランダでは1日の仕事時間を増やし、平日1日休みにすることができることを知り、オランダの家庭では親子と一緒に過ごす時間を多く作ることができるので、良いなぁと思いました。今は父親が育児休暇をとることが珍しいので、取りにくい状態だからこれから父親でも育児休暇を取りやすい社会になればいいと思いました。
○今日、オランダのワーク・ライフ・バランスのあり方を聞いて、新しい考えが増えました。それと同時に、私はオランダのワーク・ライフ・バランスのあり方がいいなと思いました。いつも女性の視点から、パートタイムでしか働けないという問題を見てきたけれど、自分の希望する時間の使い方ができていると思うかというアンケートでは、女性の方が多くて個人的に驚きました。けれど、よく考えてみると確かに男性も望んでフルタイムで働き、残業をしているわけではないのだなと思いました。仕事と家族が同じくらい大切で両立したくても、現実は仕事を優先しなければならない。ここにもジェンダーが潜んでいるのだなと思いました。
○他国に比べてこんなにも日本人の働く時間が長いとは思っていなかったのでとても驚いた。だからオランダでの働き方、生活の仕方をとても新鮮に感じた。「仕事ありき」の生活スタイルではなく、自分の理想の生活スタイルに合わせた働き方をしているのが素敵だと思ったし、日本も見習えばいいのにと思う。また、そういった余裕のありそうな仕事の仕方をしていても、オランダの生産性が高いというのが興味深かった。余裕をもって楽しんで人生を送れるからこそ、仕事に活きてくる部分もあるのかと思う。日本では働きすぎやストレス過多で事故を起こしたり、病気になったりすることも多いので、その柔軟さを取り入れてほしい。
○男女平等な社会とは何か、は色々なところでトピックとして取り上げられて、考える機会も今までたくさんありました。しかし、社会のどのような場面で女性が不利になっていて男性が有利になっているのか、と具体例は考えますが、そもそもなぜそのような格差が生まれてしまうのかということはぼんやりとしか分かっていなかったことが分かりました。また、ワーク・ライフ・バランスという言葉は、たぶん去年の現代社会の時間に習ったような気がします。男女両方がワーク・ライフ・バランスを確実に実現できている社会が、男女平等な社会といえることにもつながるのではないかと考えました。今日の講義を聞いて、オランダの人は「best of both worlds」を目指していて、ワーク・ライフ・バランスが完璧に実現できているなと思いました。日本も、もっと家庭のことを考える体制を整えてほしいと思いました。
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