スーパーサイエンスハイスクール

集まれ!理系女子 第9回

SSH研究開発実施報告書/SSH関連 資料・報告書

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2009年6月

SSH科学英語研究会を開催しました

2009.06.27

清心女子高等学校では、SSH研究開発の4年次を迎え、新たなテーマを加えた次の6項目の研究課題に取り組んでいます。

 (1)女性の科学技術分野での活躍を支援できる教育課程、教育内容の開発
 (2)「生命」を科学的に捉える視点の育成
 (3)女性の積極的に学ぶ姿勢とリーダーシップを育てる教材と指導法の開発
 (4)国際的な科学技術系人材の育成をめざした教育内容の開発
 (5)大学や研究機関と連携した教育体制の構築
 (6)研究成果の地域への普及による科学技術分野での女子生徒のキャリア形成支援
 
本校では、「女性の科学技術分野での国際的な活躍を支援できる教育モデルの構築」をめざして、3年間SSH校として研究開発に取り組んできました。
4年目となる平成21年度は、これまでの研究成果を普及するために、新たな研究テーマとして「研究成果の地域への普及による科学技術分野での女子生徒のキャリア形成支援」を設定しています。主な計画は次の通りです。
 
①科学英語をテーマとした研究授業・研究会の開催
②女子生徒による科学研究発表交流会の開催
③地域の児童生徒・市民対象の科学教室の開講
④課題研究の学会等での発表

①の科学英語について、本校の公開授業をもとにして科学英語の充実に向けた研究会を6月27日(土)に開催しました。
今回の研究会では、「科学」「英語」「生命」という3つのテーマをつなげた取り組みを紹介しました。“受精”というキーワードを縦軸として「受精卵を使用した科学実験の是非をめぐる英語によるディベート」「ニワトリの貯精、受精、生殖器官に関する英語による講義」「雌のニワトリの解剖を通して生命を学ぶ英語による講義」を、生命科学コース2年生を対象に展開している様子をご覧いただきました。
当日は北海道や沖縄の学校からも参加していただき、50名を超える多数の皆様方に本校の取り組みを紹介することができました。今回の研究会が科学英語をテーマとした各校の今後の取り組みの参考となれば幸いです。研究協議では、ご指導、ご助言を賜り、ありがとうございました。
本校SSHでは、「つながり」「広がり」をテーマとして研究開発の成果を広く発信していきたいと思います。今後も、本校の取り組みに関心をお寄せいただき、多くの学校や地域の方々との交流の機会を持ちたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
当日の内容は以下の通りです。

(1)清心英語プログラムの報告

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(2)公開授業「科学英語」
担 当:松村亜貴子(清心女子高等学校)
題材「Green Light to Human Cloning?」を用いたディベート形式の授業。
フローシートを利用して、 自らの主張とは異なる立場に立っても論理に一貫性をもたせ、証拠を見せて説得するという経験をして、理系進学に欠かせないコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を養う。全10時間の最終時間。
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論題は“You should use fertilized eggs for experiments.”(受精卵を実験に使うことの是非)
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Affirmative Constructive Speech
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Negative Attack
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Defense Speech from the Negative
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comments from judges

(3)公開授業「生物実習:ニワトリの解剖」
講師:シュバッシュ・ダス氏(広島大学生物圏科学研究科)
シュバッシュ・ダス氏はバングラデシュ出身で、現在、広島大学でニワトリの生殖器官の研究をしている。アジア系の研究者の多くは欧米系と異なり、第2言語としての英語を習得し、英語を通して研究活動を続けている。生徒にはダス氏の英語による授業を通して、実習内容だけでなく、共通言語としての英語のもつ役割を体感させた。
授業はニワトリの貯精、受精、生殖器官全般の説明をした後で、実際に雌のニワトリを解剖して、生殖に関連した色々な器官の観察をした。
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ダス先生の講義。まずはバングラデシュの紹介。
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研究内容の紹介。
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精子は鳥類の卵管でどのように長生きするのか?
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SST(精子貯蔵細管)における精子生存のメカニズム
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講義の後、生徒からの質問に答えるダス先生。質疑応答も英語です。
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雌のニワトリの解剖を開始。解剖の様子はスクリーンに映し出されます。
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生徒達は真剣な表情で見つめています。
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輸卵管を摘出。卵の形成過程を目で見て理解することができました。

  

投稿者:yamauchi

「物質科学課題研究」が始まっています

2009.06.23

2009年度から、文理コース2年生を対象に「物質科学課題研究」(週2時間)が新設されています。
この講座の内容と目的は次の通りです。
①身近にある物質で数多くの測定を行い、その分析結果から法則性を見つけ出し、さらに実験を通して物質間の相違にあたる法則性を発見することに挑む。これらの研究を通して、実験技術・課題発見能力・創意性の育成を図ることができると考えた。
②小学生や地域市民対象の科学教室の開講をめざして、実験授業の創作を行う。より身近な物質を使うこと、より簡単な方法で行えること、小学校などのカリキュラムに即した知識で取り組めること、参加者に課題意識を沸き立たせる工夫を考えることなど、科学を身近なものとして伝えていく方法を追求する。この研究を通して「科学」を客観的にとらえるとともに、問題解決能力の育成を図ることができると考えた。

1学期は、岡山大学農学部・農芸化学コース・食品生物化学研究室の中村 宜督先生にご指導を頂きながら実験を始めています。

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岡山大学農学部と農芸化学コースの研究内容の紹介
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6月16日の実験では、濃さの違う4つのビタミンC水溶液を作り、専用の薬品を使い酸化防止のはたらきを、色で確認しました。
6月23日には、特別講座として日本福祉大学・健康科学研究所の島村光治先生をお招きして、
「味覚情報処理とミラクリン(植物を通じて味覚のしくみを理解する)」という講義を行って頂きました。
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講義の中で味覚修飾植物であるギムネマとミラクルフルーツの効果を、実際に味わって体験しました。ギムネマは、甘味を感じなくさせる効果が、ミラクルフルーツは、酸っぱい物を甘く感じさせる効果があります。
さらに、島村先生には、中学生・高校生の希望者対象の講座も放課後に開いて頂きました。80名程の生徒が参加し、ギムネマとミラクルフルーツの体験を通して、味覚のしくみについて理解を深めることができました。
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放課後の講座は記念館アリーナで実施。
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参加者全員がミラクルフルーツを体験。酸っぱいレモンも甘くなり、おかわりを希望する生徒が続出。


投稿者:yamauchi

高大連携「生命科学実習Ⅰ」

2009.06.13

6月13日、生命科学コース1年生を対象に「生命科学実習Ⅰ」第1回実習が、福山大学生命工学部生物工学科で行われました。「生命科学実習Ⅰ」では、福山大学生命工学部の生物工学科・海洋生物学科・生命栄養科学科の3学科で年3回の実習を行い、生物学における幅広い知識・技術を学びます。
実習は小グループに分かれて行い、各グループにそれぞれ大学の先生と学生TAがついて、きめ細やかな指導を受けます。
第1回目は「大学の実験室や研究室を覗いてみよう!」というタイトルで実施されました。
午前中は、「生命科学とはどんな学問分野?」というテーマで秦野琢之先生による講義が行われました。生命科学といわれる分野は幅が広く奥の深い学問を含んでいること、生命科学の成果はどんなところへ活用されているかなどを学び、「どんな学問をしてみたいか?」「将来どんな分野の仕事をしたいか?」について考える材料を提供されました。

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午後からは、白衣を着て生物・化学実験を7つの少人数グループに分かれて行いました。生物工学科の先生や学生の方々に指導を受けながら、積極的に実験に取り組みました。

実験1「微生物に親しむ」(分子生物学研究室)

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実験2「DNAの抽出と電気泳動による分離」(遺伝子工学研究室)
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実験3「遺伝子組換え微生物を使って植物色素を分解してみよう」(ゲノム科学研究室)
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実験4「見る技術(実体顕微鏡・走査型電子顕微鏡)」(動物細胞工学研究室)
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実験5「果物や飲み物など食物に含まれるブドウ糖の量を測定しよう」(酵素工学研究室)
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実験6「植物の色の変化を調べよう」(植物細胞工学研究室)
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実験7「クロマトグラフィーとは?」(生物化学研究室)
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生徒達は大学で、大学の先生や学生の指導のもとで、高校で学習する内容よりも高度な内容の実験を体験することにより、科学分野に対する興味・関心を高めることができたと思います。最後に、大学の先生方、学生の皆さんと記念写真を撮りました。生物工学科の先生方、学生さんには丁寧にご指導頂き、ありがとうございました。
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投稿者:yamauchi

「数理科学課題研究」岡山大学理学部物理学科連携講座

2009.06.06

今年度も「数理科学課題研究」では、岡山大学理学部物理学科との連携講座を行っています。
5月12日は、初めての連携講座なので、数理科学課題研究のテーマでもある“磁石”について、物理学科の味野教授が講義をしてくださいました。

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身近にある物質で、磁石に反発するもの(写真1)と、引きつけらるもの(写真2)を探す実験です。
写真1は水が磁石に反発する様子です。写真2は1円玉が磁石に引き付けられる様子です。
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写真1
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写真2

写真3は、銅の筒の中を磁石が落ちていくと、誘導電流によって、磁石がゆっくり落ちていく様子を観察している様子です。
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写真3

写真4は液体の磁石“磁性流体”を観察している様子です。NASAが宇宙服に使用する目的で開発しました。
磁性流体に磁石を近づけると、「スパイク現象」と言われるトゲのような物が現れます。これは、砂鉄に磁石を近づけたときに見られる模様を3次元で表したものになります。この磁性流体を観察することで、磁石から出ている磁力線が360度どの方向にも出ていることが実感出来ました。
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写真4

投稿者:yamauchi