ホーム » 高等学校での学び » 文理コース » 発展科目一覧 » 講座名:知って、役立つ「マネジメント」
このプロジェクトは、生徒達が「学びの経験」をする場として大学から施設を提供していただき、専門の教員による授業を受けるというものです。 大学が本校のために作成した独自のプログラムに従って、高校2年生の希望者40名を対象に1年間実施されます。 こうした試みを通じて、生徒達は大学レベルの教育内容に対する意識や自らの学習意欲を高めることができ、自己の力と思考に基づいた進路選択が可能になるのです。
担当 川崎医療福祉大学 医療福祉マネジメント学部
生徒の皆さんは「マネジメント」という言葉にはあまり興味・関心がないかも知れません。しかし、社会の営みの多くは「マネジメント」によって支えられています。例えば、体育系の部活動にはマネージャーがいることは皆さんもよくご存知でしょう。選手の募集、練習・合宿計画や試合日程の作成、応援の体制作り等、ヒトを動かすことはマネージャーの仕事です。また、色々な競技道具やユニフォーム等のモノの調達や、部活動に必要な部費や遠征費を集め、部のおカネを管理するのもマネージャーの仕事でしょう。さらには、対戦相手の成績や実力等に関する情報収集や分析、あるいは練習場の安全性や使いよさの確保といった環境整備もマネージャーの仕事と言えます。一般に、マネージャーの仕事についてのキーワードは“ヒト、モノ、カネ”さらに“情報、環境(使いよさ)”と言われることがありますが、部活動のマネージャーの仕事はこれら5つの要素を適切に整えて、活発な部活動を維持していくことです。
このような部活動のマネージャーの仕事は、選手のプレーのように華やかで、目立つものではなく、どちらかと言えば、“縁の下の力持ち”的な存在で、地味なものです。しかし、優秀な成績を残すチームには、必ずと言ってもよいほど、有能なマネージャーがいるはずです。医療福祉サービスのマネジメントもこれと同じことが言えます。医療機関・福祉施設におけるマネジメントの役割や機能は、医師や看護師のように、利用者や患者に対して「直接に」診療・処遇サービスを行うことがないので、感謝や尊敬あるいは憧れの対象になることは少なく、決して目立つことはありません。しかし、部活動のマネージャーと同じように、医療機関・福祉施設におけるマネジメントも医療福祉サービス提供のためには、なくてはならない存在なのです。この講座では皆さんに、「医療福祉マネジメント」という社会の営みの一分野を学ぶことを通して、社会に対する目を開き、広くものの見方、考え方を身につけてもらいたいと考えています。この講座を履修することによって、生徒の皆さんが新たな興味・関心を発見し、未知の領域に挑戦する勇気と学ぶ楽しさを体得することを願っています。
一口に医療福祉サービスと言っても、その仕事の領域は、社会福祉士や看護師あるいは臨床心理士などのように、利用者や患者の「生活面」を支援するために、彼等に対して直接に処遇サービスを提供する専門職から、医師や作業療法士・理学療法士、あるいは言語聴覚士や視能訓練士などのように、利用者や患者を「医療面」から支援するために、彼等を診断・治療・指導する専門職に至るまで広範囲にわたっています。言うまでもなく、利用者や患者に「直接」関わりを持つこのような専門職の人達がいなくては、医療福祉サービスの提供は成り立ちません。しかも、少子・高齢化が進行する21世紀の日本では、医療福祉サービスを必要とする老人の数は今以上に増えていくのに対して、それらのサービスを支える働き盛りの人数は徐々に減ることになり、その結果、医療保険、介護保険、年金等の社会保障制度を支えるための国民の負担額が大幅に増加して、お年寄りを世話する介護福祉士などの数が減ることになります。例えば、日本のお年寄りの介護は、近い将来、外国人の出稼ぎ労働者に頼らなければならなくなるということまで言われています。したがって、今後、国民が望む良質の医療福祉サービスを安定的に、そして国民の負担能力に見合うように提供するには、社会福祉士や看護師等の各種の専門職がそれぞれの能力を十分に発揮できるように、彼らを側面から支援することができる「マネジメントの専門職」が必要であると言われています。
このようなことを考えて、川崎医療福祉大学では、2005年4月より、医療福祉経営学科、医療秘書学科、医療福祉デザイン学科、医療情報学科の4学科から構成される医療福祉マネジメント学部を新設し、医療福祉サービスの提供に必要な“ヒト、モノ、カネ、情報、環境(使いよさ)”をよく理解し、組織を効率的に管理・運営することができる「マネジメントの専門職」の養成を開始しました。今後も本学では、医療・福祉施設における企画・運営に携わり、効率的な維持・管理をサポートする優秀な人材を輩出することを目指します。
※本講座は2009年度より特設系列を新設しました。病院を中心とした職場・社会での出来事、生き方、スキル・能力の4つの観点から構成し、本学のリハビリテーション学科、感覚矯正学科、保健看護学科、健康体育学科、臨床心理学科、臨床工学科の6学科から各専門的観点より講座を進めていきます。