2011年04月30日

カメ用に発信機を改造

一昨年からカメをラジオテレメトリー法で追跡して研究しているが、最近は海外から発信機は輸入している。日本のアマチュア無線の店で購入すると価格は2倍から3倍になる(ただし。個人輸入でも総額が高いので関税はとられます)。その小型発信機をカメに装着できるように改造する。改造するといっても、発信機を違法に改造するのではなく、装着しやすいように加工するだけである。

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輸入した発信機の箱

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加工中の発信機


投稿者: 秋山繁治 日時: 18:32|コメント (0)

解剖用のアカミミガメを捕獲

5月1日に、アカミミガメの解剖実習をするということで、事前に捕獲した。雌1匹を捕獲した。

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6時間前に仕掛けたトラップを引き上げる

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雌1匹を捕獲


投稿者: 秋山繁治 日時: 18:13|コメント (0)

学校の駐車場に猫

今日は学校はお休み。でもいつも通り生き物のじっとこちらを見る気配があった。振り返ると「黒猫」がいた。誰もいない学校で、休日でもごそごそと実験したり、原稿を書いたりしている僕を猫が見守ってくれているのだろうか。

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体育館の横に猫が

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首の下に白い毛が少しだけある黒猫


投稿者: 秋山繁治 日時: 17:55|コメント (0)

2011年04月21日

慶応義塾大学日吉キャンパスも新緑に包まれて

慶応大学に立ち寄って、今後の生徒の課題研究やサンショウウオを使っての研究の方向について、情報交換をさせていただいた。日吉キャンパスは新緑に包まれ、街路樹のイチョウも新芽を出していた。

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淡い緑色の風景

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緑豊かな環境

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イチョウも新芽を出して


投稿者: 秋山繁治 日時: 20:47|コメント (0)

2011年04月17日

蒜山の山焼き

蒜山で鳥取大学農学部佐野研究室が毎年実施している山焼きを見させていただいた。着火は午後1時半で、約2時間で炎は下端まで達した。

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まだ雪に覆われた大山が見える

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午後1時半に着火

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着火15分後

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着火1時間後

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1時間半が経過

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ほぼ終了


投稿者: 秋山繁治 日時: 19:41|コメント (0)

2011年04月10日

サクラは、今満開

始業式、入学式を終えた日曜日、ほとんどの教師や生徒はいないが、サクラは満開。震災の影響で、花見をしている状況ではないが、サクラは毎年同じように綺麗に咲いている。

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生物教室に近いサクラ

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まだ、散り始めていない

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高校普通教室棟近くのサクラ

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明日は散り始めるかな?


投稿者: 秋山繁治 日時: 20:20|コメント (0)

瀬戸町のカスミサンショウウオの産卵

例年に比べても、他の地域に比べても、産卵が非常に遅かった。水が少ない。

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カスミサンショウウオの産卵場所

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胚の発生段階も早い


投稿者: 秋山繁治 日時: 19:15|コメント (0)

ボルネオ海外研修の生徒の感想

 このボルネオ海外研修は今までの研修旅行のなかで、最も楽しく充実したものだった。参加するまでは、文系の生徒である私も参加して、意味があるのかと思っていたが今ではもう一度行きたいと思うほどである。サバ大学での授業はとても興味深かった。すべて英語での授業ということもあり、理解できるか不安だったが、先生方は熱心に授業をして下さり、また私のつたない英語での質問にも真剣に答えてくださり、とても勉強になった。英語でプレゼンテーションをする機会も与えて頂き、緊張してしまい思うようにプレゼンテーション出来なかったが、貴重な体験でありとてもいい経験ができた。大学生との交流は、本当に楽しかった。人によって英語の発音が違うので初めのころは何を言っているのか理解できず、思うように会話が出来なかったが、徐々に慣れてくると、英語で会話することの楽しさを感じるようになった。また、大学生の中にはマレー語、英語、中国語の3ヶ国語を話せる人がいて、さらに日本語の勉強も始めたと言っていたのには驚いた。私も負けてはいられないと思った。日本に帰った今もFacebookを通して交流を続けている。
 3日目に行ったクルージングは研修の中で一番思い出に残っている。ボートから見た夕焼けは、今まで見た景色の中で一番綺麗だった。ボルネオの壮大な自然に感動して思わず涙が出そうになった。来て良かったと思った。テングザルを近くで観察し、声も聞くことができたのは貴重な体験である。夜にみた蛍も幻想的で美しかった。ボートの運転手の方が、蛍を捕まえて渡してくれたが、想像していたよりもはるかに小さい虫だったことに驚いた。いままで、生で蛍を見たことも、ましてや触ったこともなかったので新鮮だった。木が蛍の光でクリスマスツリーのようになっていて綺麗だった。
 4日目に訪れた世界遺産にも登録されているキナバル公園や植物園では、ボルネオの豊富な自然を存分に味わうことができた。キャノピーウォークでは、高い位置から植物を観察することができ、普段地上からしか見ることのできない森林とは少し違った景色を観察することができた。この日、印象に残っている出来事がある。キャノピーウォークをしながら、植物園のガイドさんに質問していたら、色々と教えてくださり、気がつくと30分くらいお話していた。はじめは英語で会話をすることに少し抵抗があったのだが、そんなことはすっかり忘れて植物や日本について英語でお話することができ、とても楽しくいい経験ができた。また、見ることが出来ないと思っていたラフレシアも間近で観察でき、貴重な1日だった。
 5日目に訪れたマヌカン島の海は今まで見た中で一番綺麗だった。人生初のシュノーケリングも体験することができた。自分の周りを魚たちが泳いでおり、海の底には、長い針をもつウニやヒトデもおり、まるで海の楽園に来たような気がした。また、この日はホステルの横のスタジアムにサッカー観戦をしに行った。スタジアムから帰る際、救急車を見かけたのだが、日本のある団体が寄付したものだと書いてあった。日本は色々なところでマレーシアに協力しているのだと思うと、嬉しかった。夜には、ホステルの警備員さんとお話する機会がありお互いの国について話し、とても楽しい時間を過ごすことが出来た。
 6日目にサンダカンに飛行機で移動した。オランウータン・リハビリセンターで見たオランウータンが餌を食べている様子は、まるで人間のようだった。またコウモリの洞窟は、フンが山になっていることや、手すりにいるゴキブリの多さにと、驚くことばかりだった。ロッジに泊まった夜に行ったナイトクルーズでは、色鮮やかな鳥を間近で観察できた。ワニに出会えなかったのが残念だった。しかし、何に出会えるか分からない楽しみを味わうことができた。朝のクルーズで猿が木から飛び降りる姿には驚いた。ガイドさんも滅多に見られない光景を見ることができて、とても貴重な体験をすることができた。また、ロッジでは、研修旅行史上もっとも豪華なランチを食べることもできた!
 サンダカンの街で自由時間があったが、コタキナバルよりはるかに治安が悪そうだった。お店には、偽ブランド品が大量に売られていたり、男の人に煙草を売られそうになったりと少し怖かったが、人々が生活している様子を肌で感じることができた。水上村は政府が管理しているところを訪れたので、普通の家にしか見えなかった。家の中をのぞいてみると、液晶テレビがあったのには驚いた。普通の観光旅行で、マレーシアの人々の実生活はなかなかのぞくことはできないと思う。とても勉強になった。
 ボルネオ海外研修で、最も楽しかったことは、色々な人とお話出来たことである。共通語である、英語を使って会話することは、とてもいい経験となった。マレーシアの英語は聞き取りづらかったり、反対に聞き取ってもらえなかったり、思うようにコミュニケーションが取れないと感じることもあったが、親切に優しく話しかけてもらえることがとても嬉しかった。マレーシアの人たちの温かさに包まれた研修旅行だったと思う。
 今回の研修では亜熱帯の自然についても色々と学ぶことが出来たが、マレーシアの生活様式や、宗教などについても知ることができた。マレーシアという国を体感できたという気持になった。参加する前までは、ただ自然について勉強するだけの研修旅行だと思っていたが、学んだことは数多く、国際理解を深めることが出来たので、もっと多くの文系の生徒も参加すればいいのにもったいないなと感じた。また、この旅行で、自分で考えて行動したり、積極性も少しは身についたと思う。トイレや食べ物、洗濯など、困ることがあったからこそ学ぶこともあった。ただの観光旅行からは学べないことをたくさん学ぶことができ、とても充実した研修旅行だった。是非もう一度参加したい。

投稿者: 秋山繁治 日時: 15:36|コメント (0)

2011年04月09日

春はいろいろな花が自宅の庭で見られます

自宅の池では、カスミサンショウウオとオオイタサンショウウオの産卵が行われていますが、植物もいろいろな花を咲かせています。

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投稿者: 秋山繁治 日時: 18:56|コメント (0)

岡山県北部の水田は雪に覆われていた

実験に使うアカハライモリを採取にいったが、雪に覆われていて調査は不可能であった。例年より、積雪が多かったということだ。久しぶりに野外でアカハライモリに会えると考えたが・・・・・、また、次回探すことにした。

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途中でサクラ並木に遭遇

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水田にイモリの姿はない

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木々は根元を雪覆われ

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まだまだ雪は深い


投稿者: 秋山繁治 日時: 18:32|コメント (0)

自宅庭で新たにカスミサンショウウオの卵を確認

3月上旬にカスミサンショウウオの産卵を自宅の人工池で見つけたが、新たにもう一対の産卵を確認した。

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シートの陰で見つけた

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遅い時期に産卵されたらしい


投稿者: 秋山繁治 日時: 09:24|コメント (0)

2011年04月08日

文部科学省スーパーサイエンスハイスクール再(継続)指定

 清心女子高校は平成18年度に文部科学省スーパーサイエンス(SSH)校指定を受け5年を経過し平成22年度で終了しましたが、平成23年度から平成27年度までの再指定(継続)を受けました。今後とも理科教育プログラムの開発・課題研究を進めていきますので、ご理解とご協力をお願いいたします。昨年と同じように、①科学英語研究授業(6月25日)、②成果発表会(10月末)、③女子生徒による科学研究交流会(10月末)、④中高理科研究授業(2月)を計画しておりますが、具体的な内容が決まり次第案内させていただきます。
 なお、23年度のSSH校指定は、全国から89校(国立2校、公立66校、私立21校)から実施希望調書の提出があり、38校(国立1校、公立31校、私立6校)が指定されました。私立の採択率は29%でした。また、本校と同じ平成18年に指定校された31校のうち15校(48%)が継続して再指定を受けています。中四国で継続指定を受けたのは本校のみです。詳細は、文科省のHPに掲載されています。平成23年度のSSH校は全国で145校(都道府県平均約3校)になりました。

文部科学省の平成23年度SSH指定についての説明
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1304238.htm

投稿者: 秋山繁治 日時: 16:27|コメント (0)

大学入試問題集のあとがきに込められたメッセージ

研数書院『入試トレンディ生物重要問題集』の最後のページに以下のような文章が掲載されている。1989年の教材見本として、学校に送られてきたものである。誰が書いたものかを出版社に問い合わせたが不明であった。この22年前のメッセージを今の科学者はどの程度当たっていると思うだろうか。そして、今の高校生はこのメッセージに込められた気持ちを受けとめることができるだろうか。
高校で生物を教えるものは、このメッセージに込めらた夢を忘れてはならないと思う。

受験の生物と非受験の生物学 -あとがきにかえて一
 私が受験生をみていて最も気の毒に思う事は,勉強が苦しくて大変だなどということではさらさらなくて,試験の範囲があらかじめ決まっているということである。それでも個々の大学が個別に入試を行っていた頃は,たてまえ上は高校の教科書の範囲から出題することになってはいても,ほとんどの大学の教師は高校の教科書などは見ないだろうから,いきおい難問,奇問が出題されることになり,事態はまだしもよかったのだと言える。事態を決定的に悪くしたのは共通一次試験であって,そこでは高校の教科書から少しでも逸脱する問題は排除されてしまったのである。当然の事だが,学問には正解もなければ範囲などというものもない。むしろ既存の正解と既存の範囲から逸脱することだけが学問にとって意味あることのすべてなのである。諸君が真面目に高校の勉強をすれば不可避的に生ずる疑問や興味を追求すると教科書の範囲からの逸脱は免がれ難くなる。しかし現在の受験体制では教科書の範囲を超えて勉強することは,大学入試に関する限り不利になることはあれ有利になることはないから,受験生は自分の疑問や興味を殺して,受験範囲内の知識だけを完全に覚えることに専念することになる。二十歳前の最も頭の柔軟な時に,重箱の隅をつつくようなことをしなければならないのは気の毒この上なく,あげくのはてに最近の若者は独創力が足りないなどと言われては立つ瀬がない。しかし私はともかくとして諸君がグチをこぼしてもはじまらないから,なんとか自分でくふうしてつまらない受験勉強を切り抜ける以外にない。その際に留意することは,①受験勉強は「最小の努力で最大の効率」をモットーにムダな事はしてはならない,②受験勉強以外のことに①のセオリーをあてはめてはならない,特に学問には①のセオリーが全く成立しない,の二点である。この本は諸君の受験生物の勉強における①を手助けするためにあるが首尾よく受験を切り抜けて,なおかつ非受験の生物学に興味をもつ方に,①のやり方では決して解けない現代生物学の難問を紹介して本書を閉じたいと思う。現代生物学がかかえている難問は,発生,進化,脳などである。免疫もかなりの難問であったが,多様性の発現機構についてはあらかた解けてしまった。進化は総合説(ネオダーウィニズム)という学説により表面的には解決されているかのようにみえるが,遺伝子と形との対応が未知な以上原理的には何もわかっていないと言うべきであるし,脳も機能と形態との対応が全くわかっていない。かくして全ての生物学上の難問は発生に収斂してくることになる。通常の生物学者が考えているように,DNA→夕ンパタ質一形質という図式だけでは化学反応の速度が遅すぎて発生の進行に追いつきそうにない。そこで①上の図式を超える構造(法則)をDNA自体が持っているのか,②細胞質の中にDNAとは異なる構造(法則)があるのか,③通常の自然科学の記述を超える新しい記述方法を考えてそれにより発生を記述するのか,の三つぐらいがさしあたってとり得る戦略になると思われる。諸君の中からこの難問を解く人が現れてこないものだろうか。
1988年10月 編者しるす

投稿者: 秋山繁治 日時: 09:04|コメント (0)

2011年04月06日

広島大学大学院理学研究科公聴会で発表

【広島大学学位請求論文要旨】 Zoological Science受理
Evidence for the true fall-mating in Japanese newt Cynops pyrrhogaster
(日本産アカハライモリにおける秋交配の証明)
秋山 繁治

 アカハライモリは日本の固有種であり、本州、四国、九州および隠岐、壱岐、佐渡、五島および大隅群島に広く分布している。日本には3種類のイモリが生息しており、本土のアカハライモリに加え、奄美や沖縄にはシリケンイモリとイボイモリが分布している。我が国に生息する他の両生類はすべて体外受精を行うのに対し、イモリ類は、体内受精という異なる繁殖様式を備えている。アカハライモリの雄は繁殖期になると、尾の側面から腹側に掛けて紫色の婚姻色を呈し、雌の目の前で尾を振るわせて雌を誘った後、精包を放出する。雄に追随した雌はその精包を肛門から取り込み、肛門背側に多くの管状構造として存在する貯精のうに精子を蓄える。やがて成熟卵が輸卵管を通り、肛門を通過する際に貯精のうの精子と受精し、受精卵として体外に放出される。体外受精を行う両生類は交配時期と産卵時期がほぼ一致しているのに対し、イモリの雌は体内に精子を保存し、体内受精を行うため、交配が直接産卵を誘導しない。よって、交配時期はそのまま産卵時期を意味せず、交配後長い時間を経過したのち産卵が起こりうる。
  アカハライモリでは、これまで春から初夏に掛けての2−3ヶ月が交配期であると考えられてきた。ところが、本研究者は秋にも、野外でたびたびイモリの交配行動を観察し、雄の婚姻食も確認した。ただし、雌の産卵は確認していない。一方、1931年には筒井が、1961年には岩澤が同様にイモリの交配行動を秋に観察しており、岩澤と石井(1990)は精巣の重量が9月−10月に最大になること、アンドロゲンの分泌が春と秋の2度、ピークに達することを明らかにしている。さらに浜口ら(2010)は、雄の脳におけるニューロステロイドの産生酵素遺伝子Cyp7Bの発現が秋に高まることから、秋における雄の交配行動を生理学的に支持している。このような背景から、アカハライモリでは交配が秋にも行われている可能性が十分に考えられる。一方、アメリカのイモリでも同様の秋交配が観察され調べられてきたが、雄の精子形成や雌の貯精のう内の精子の量は個体によって程度が異なことから、秋はあくまで偽繁殖期(false breeding season)であると解釈されている(Gergits and Jaeger, 1990; Sever et al., 1996; Sever, 1997)。
 そこで本研究では、我が国のアカハライモリの交配が実際に秋に行われているのかどうかを明らかにするため、生殖腺や生殖器官の成熟の季節変化、雌の貯精のうにおける精子数の年周変化を調べた。さらに、秋に精子が雌に取り込まれるかどうか、その精子が春の産卵で実際に受精に使われるかどうかについて、DNA分子マーカーを用いて調べた。

 卵巣と輸卵管の重量について、体重に対する相対値を調べたところ、卵巣と輸卵管の重量はともに、繁殖後の7−8月の夏に最小となり、秋に向けて徐々に増えていた。卵巣内の卵母細胞を観察すると、7月には未熟な卵母細胞で占められたが、9月には徐々に成熟の進んだ褐色の細胞質をもつ卵母細胞が増え、3月には既に十分成熟した卵母細胞が多数観察された。輸卵管は5月にはゼリーが上皮細胞に蓄積し肥厚していたのに対し、9月にはゼリーが見られず、上皮細胞が整列して単層構造を示し、縮んだ状態にあった。
 一方、精巣の重量は逆に10月から6月に掛けて低く、7月から上昇した。イモリの精巣は、精子が充満した部分と精子形成を行う部分の2つの領域に分かれており、精子が充満した部分の大きさは年を通じて変化しないが、精子形成を行う部分、つまり精原細胞から精子細胞を含む領域の大きさが変化を示した。よって、精巣重量の少ない時期には精子形成の領域が小さく、逆にこの時期には輸精管内の精子数が大幅に増えていた。一方、精巣の重量が大きい9月には精子形成領域が大きかったが、輸精管内では精子が少なく、8月にはほとんど見られない状態にあった。輸精管の精子数は12月から5月にもっとも多かったが、9月からは既に増えだしていることがわかった。
 雌の貯精のうにおける精子数について、すべての貯精のう内の精子数を測定することは困難であるため、組織切片を観察した貯精のうの内、20%以上の貯精のうに精子が含まれている場合、20%未満の場合、なしの場合の3つのタイプに分けて調べた。その結果、繁殖後の8月と9月にもっとも少なく、10月から精子を含む貯精のうが大幅に増えている事がわかった。
 以上の結果から、雌雄生殖腺の成熟は繁殖後の8月頃にもっとも低下すること、その後10月には最大まで達しないもののある程度の成熟度に達している事がわかった。そこで、12月に冬眠中の雌を野外から捕獲し、雄と接触させることなく3月に排卵を誘導したところ、使用した雌3個体すべてが受精卵(受精率70,73.3, 22.7%)を生んだ。これは、12月の雌は既に精子を取り込み、保持していたことを示している。一方、6月に産卵した雌をそのまま飼育し、秋に排卵させても受精卵は生まなかった。しかし、9月と11月に捕獲した雌2個体と4個体は12月にそれぞれ排卵誘導によって受精卵(受精率100%)を生んだ。このことは、春の精子は夏を越えて秋まで維持されないこと、そして、雌は秋に精子を取り込み、保持していることを示している。最後に、秋の精子が春の受精に使われている事を直接証明するために、岡山と大分の集団を使い、3月に捕獲した冬眠中の雌を別の集団の雄と一緒に飼育し、5月に自然産卵および人工排卵によって産卵を誘導した。岡山と大分の集団は、視物質遺伝子の塩基配列の違いに基づき、HincIIの制限酵素切断によってお互いのゲノムを識別することができる。岡山雌が自然産卵した8胚を調べたところ、2個体は岡山、6個体は雑種であった。さらに、人工排卵によって、岡山の雌6個体はすべて岡山の胚だけを生んだが、大分の雌1個体は大分の胚2個体と1個体の雑種、残り3個体の雌は合計35個体の雑種胚を生んだ。以上の結果から、精子は秋に取り込まれ、しかも春の精子と共に、春の受精に使われている事が直接に証明された。

 本研究は、日本に生息するアカハライモリの雌が秋に雄から精包を受け取り、春に新たに取り込んだ精子と共に春の受精に使用して産卵していることを明らかにした。したがって、これまで4月から6月、春から初夏までがアカハライモリの交配期(繁殖期)とされていたが、10月から6月までが真の交配期(繁殖期)となり、これまで知られていたよりも6ヶ月近くも長いことになる。ただし、冬は冬眠するため、実際には11月頃から3月までの期間は冬によって中断されている。では、日本の両生類の中で、なぜイモリだけがこのように長い交配期間をもつのだろうか。アカハライモリの属するCynopsには合計8種存在し、そのうち6種は中国のいずれも緯度が低い南部に生息している。従って、Cynops属イモリの起源は中国にあり、日本のアカハライモリは最も緯度の高いところに適応していることになる。中国のCynops属イモリの交配期はおよそ3月から7月と報告されており、アカハライモリの近縁種で奄美、沖縄に生息するシリケンイモリの交配期は1月から6月とされている。よって、日本に侵入して進化したCynopsは、繁殖期が冬の方へと伸長し、本土に分布を拡大しながらさらに秋まで交配期が伸長した可能性が考えられる。しかし、本土では寒い冬が存在するため、長い交配期が冬で遮断されたことになる。現在のところ、中国のCynopsにおける真の交配期が調べられていないので、詳しい推測は困難であり、中国のCynops自体がすでに長い交配期を備えている可能性も否定できない。今後の研究の進展が期待される。
 本研究は、アカハライモリの交配期が秋にはすでに開始していることを明らかにした。これまで、日本の両生類では春を中心とした一続きの交配期が一般的に信じられてきたが、本研究は、秋に開始し、しかも冬期で一旦遮断され初夏まで続く長い交配期が存在することをイモリで証明した。これまでの常識を大きく覆す発見である。

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広島大学両棲類研究施設

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発表の様子

投稿者: 秋山繁治 日時: 20:38|コメント (0)

学校のサクラは二分咲き

学校のサクラは、まだ二分咲き。明日の始業式、明後日の入学式に間に合うだろうか。

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まだ蕾が多い

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可憐に咲くサクラ


投稿者: 秋山繁治 日時: 18:47|コメント (0)

2011年04月05日

広島大学大学院理学研究科生物科学専攻の学位論文公聴会で研究成果を発表

4月6日(水)に広島大学大学院理学研究科生物科学専攻の学位論文公聴会で研究成果を発表します。論文題目は、「Evidence for the true fall-mating in Japanese newt Cynops pyrrhogaster(日本産アカハライモリにおける秋交配の証明)」です。
http://www.hiroshima-u.ac.jp/sci/gakuironbun/bio/

投稿者: 秋山繁治 日時: 12:34|コメント (0)

2011年04月03日

Borneo Report by Brian Timms

 The Seishin Girls’ High School 2011 visit to Borneo was yet another great success. During the week-long visit, this year’s eleven participants were given a unique opportunity to experience the biological and cultural diversity of Sabah, one of the two Malaysian states on the island of Borneo. They returned to Japan with a host of great memories and a fresh motivation to pursue their studies.
 The trip opened at the Institute of Tropical Biology and Conservation at the University of Malaysia Sabah (UMS) located in Kota Kinabalu. Students received an orientation and tour of the Institute, which is dedicated to promoting sustainability in Sabah. The following day Institute lecturers gave talks on plant diversity, insects, sustainability and eco-tourism, and first year biology students organized recreational activities.
 During the next phase of the trip, students went on a number of excursions in and around Kota Kinabalu to places of ecological importance. These places included Mangrove forests, wetlands, Mount Kinabalu, and climaxed with a river cruise, where students viewed numerous flora, fauna and wildlife including the long-nosed proboscis monkeys.
 The group then moved east to the city of Sandakan for the final two days of the trip. After a two hour drive from Sandakan airport, students arrived at the Proboscis Lodge located on the Kinabatangan River. There they enjoyed a night and morning river cruise during which they spotted birds, wild cats, and were even able to see a group of monkeys diving into the river in order to cross it. A rare sight indeed !

投稿者: 秋山繁治 日時: 10:11|コメント (0)

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