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2009年12月26日
平成21年度生命科学公開講演会および座談会
9時半からであった。講演は2つで、「微生物のパワーでジェット機を飛ばす!?」という演題で、福山大学生命工学部生物工学科の秦野琢之教授、「高校スポーツ選手の栄養管理」という演題で、福山大学生命工学部生命栄養科学科の石崎由美子准教授がそれぞれ30分話された。その後の座談会で、高大連携や新しい学習指導要領の問題点などについて話し合いをもった。高大連携については、①これまでに実施した高大連携事業の検証 ②高校で活用できる教材の共同開発 ③教育プログラムの共同開発 ④出前授業 ⑤ テーマ別出前授業案の作成 などが話題に上がった。新学習指導要領ついては、生物教育が大きく変わるということで、対応として、①我々が学ぶべきこと ②授業展開 ③実験項目 ④入試対策 などが話題に上がった。講師以外の大学からの参加者は、福山大学から生物工学科太田雅也准教授 (生物化学)、生命栄養科学科菊田安至教授(分子生物学)、海洋生物科学科渡辺伸一講師(海洋動物生態学)が来られた。

開会の挨拶

生物工学科・秦野琢之の講演

生命栄養科学科・石崎由美子准教授の講演
投稿者: 秋山繁治 日時: 15:49|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月25日
サイエンスZERO 最新科学が見つめる生と死(2)「寿命とは何か」
細胞は自ら死ぬプログラムが組み込まれている。寿命をもたない生き物やがん細胞の研究から「寿命」を考えるという特集がNHKで放送される。解説者として、本校に講演に来られた阿形清和(京都大学理学研究科教授)が出演されている。
アポトーシス(細胞の自己死)が正常に働かない癌細胞にアポトーシスを起こさせる制がん剤の開発が始まっっている。また、プラナリアという全能性幹細胞を持ち、寿命がない生物の研究から、ヒト細胞をプラナリアのように分化前の状態に戻す再生医療の研究も行われている。「寿命とは何か」を研究する最前線の情報を伝えている。
阿形先生の京都大学、高次情報形成学講座 生体情報発生分野分子発生学分科では、本校の卒業生も博士後期課程で研究に取り組んでいる。
http://mdb.biophys.kyoto-u.ac.jp/
投稿者: 秋山繁治 日時: 07:51|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月24日
富士山がくっきり見えました。
明日は、SSH情報交換会。富士山がくっきり見えたことを嬉しがっている人が僕以外に一名いた。一生懸命に携帯で写真を撮っていた。研究する上で大切な姿勢は、「その場その場で最善を尽くすこと」、「自分にできる範囲を知る」、「不幸を他人のせいにしない」、「やっているうちに面白くなるものである」。SSHを通して、生徒の未来を切り開くことはできるが、僕自身は、一生研究できる環境は与えられないのかもしれないという不安がよぎる。自分の能力のせいだよね。でも、ぶざまかもしれないが前向きに取り組むのが僕の生き方です。

列車から窓越しに撮影した富士山です
投稿者: 秋山繁治 日時: 18:10|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月23日
平成21年度武庫川女子大学附属中学校・高等学校 SSH研究発表会
会場は、武庫川女子大学であった。①研修報告、②講演、③ポスター課題研究発表(昼食時)、④口頭課題研究発表であった。記念講演は、大阪大学大学院理学研究科物理学専攻・田島節子先生で、研究者にまでいたった人生、超伝導について分かりやすく話していただいた。口頭発表では、「マウスの発毛過程」、「加齢に伴う幹細胞の老化」の研究がレベルが高かった。武庫川女子大学薬学部との高大連携が進んでいることを感じさせた。

会場のマルチメディア館

大阪大学の田島先生の講演

超伝導現象を実演

ポスター発表の会場

ポスター発表の様子

口頭発表の様子
投稿者: 秋山繁治 日時: 20:55|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月20日
SSH東京都指定校合同発表会
東京都立科学技術高校を会場に、東京都内のSSH校が集まって、課題研究の発表会が開催された。生物分野では、ショウジョウバエを材料に、パターン形成遺伝子の単離とその発現の解析するというような大学レベルの技術を使った研究もあった。

会場の東京都立科学技術高校

玉川学園のポスター発表

筑波大学附属駒場高校のポスター発表

東京工業大学附属科学技術高校のポスター発表

筑波大学附属駒場高校の口頭発表

東京都立科学技術高等学校の口頭発表
投稿者: 秋山繁治 日時: 18:43|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月19日
2009年度 SSH Guide 2009
2009年度の清心女子高校のSSH事業(生命科学コースの教育内容)を紹介するビデオです。2009年度のSSHパンフレットを併せてみていただければ、わかりやすいと思います。
→ 『スーパーサイエンスハイスクールガイド2009』はこちらからご覧いただけます。
投稿者: admin 日時: 21:26|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
慶応義塾大学・未来の科学者養成講座(2日目)
2日目は、慶応大学医学部で二つの講演と慶応大学の大学生・大学院生との交流会があった。一つ目の講演は、慶応大学医学部の5年生が「医学部生の国際活動」と題して、ハワイ大学やドイツのベルリン市中病院での研修、WHO本部での実習、アメリカ留学プログラムへの参加を通して、語学力の強化の必要性を感じたことなどについて聞かせていただいた。二つ目の講演は、今、もっとも成果をあげられている医学研究者である慶応義塾大学医学部再生医学教室の福田恵一先生が「未来の心臓病治療を目指した再生医療の紹介」と題して、ES細胞やiPS細胞といういろいろな細胞になることができる幹細胞を利用して、心臓の細胞を作り出す方法を紹介し、現在実用レベルまで近づいていている状況について聞かせていただいた。心臓を二つ持ったカエルのビデオ映像に、参加した多くの小中高校生は見入っていた。

慶應大学医学部(会場)

慶應大学医学部5年生の学生の講演

慶應大学医学部・福田恵一教授の講演
投稿者: 秋山繁治 日時: 21:14|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月18日
慶応義塾大学・未来の科学者養成講座(1日目)
1日目は、慶応大学医学部の研究室や病院を見学し、最先端の医療研究や医療技術に触れることができた。午前は、医化学研究室、再生医学研究室、生理学教室を訪問し、研究内容についての説明、研究機器の見学をした。午後は、病院見学で、MRI・CT、内視鏡、エコーなどの医療技術について学んだ。
課題研究についても相談させていただいた。今進めているサンショウウオの幼生についての研究に慶応大学が協力していただけるということで、アドバイスをいただいている。3年間、本校の生徒が研究を引き継いでくれれば、充実した研究ができると思う。

研究材料としてのショウジョウバエ

生理学教室で顕微鏡観察

病院で医療技術を学ぶ

最後にレポート作成
投稿者: 秋山繁治 日時: 21:30|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月16日
「理科の教育」12月号【特集】「体験」活動の充実と理科
日本理科教育学会の月刊誌「理科の教育」12月号は、体験活動を充実させた教育実践の特集が組まれてる。本校の生命科学コースの取り組みを「実際に”触れること”が科学的思考を育てる」(p22~25)と題して紹介しました
http://wwwsoc.nii.ac.jp/sjst/magazine/m2009/m2009_12.html
投稿者: 秋山繁治 日時: 08:24|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月13日
3月7日に蒔いたナンテンの種から芽が出た。
ナンテンの種を蒔いてから9カ月、ついにナンテンの苗が育っている。最初は、草の苗かと思っていたが、一列に生えてきたので、自分で蒔いたナンテンだとわかった。庭には、私が生まれる前からナンテンがあったというのに、芽生えをみたことがなかった。自分で育てて初めて、わかることは多い。

今、ナンテンは実をつけています

ナンテンの芽生え

葉が増えています
投稿者: 秋山繁治 日時: 21:16|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月08日
平成21年度生命科学公開講演会および座談会の開催
生物担当教員の研鑽を目的として、ライフサイエンスやバイオテクノロジーにまつわる身近な話題をとりあげた講演会および座談会を開催いたします。また、今年度は12月13日の新学習指導要領に関するシンポジュウムを受け、今後の生物教育の内容・方向性についても討論する予定です。つきましては、理科担当の先生方に多数参加いただきますようお願い申し上げます。
主催:岡山県高等学校教育研究会理科部会・生物分科会
【日時】 平成21年12月26日(土曜日)9:30~12:30(講演・質疑応答1時間、座談会2時間)
【会場】 ノートルダム清心女子高等学校 会議棟2階
【対象】 高等学校理科担当教諭
【講演】 講師 福山大学 生命工学部生命工学科 秦野 琢之 教授
「微生物のパワーでジェット機を飛ばす!?」
講師 福山大学 生命工学部生命栄養科学科 石崎 由美子 准教授
「高校スポーツ選手の栄養管理」
【座談会】
(1)「高大連携のこれまでと今後」
①これまでに実施した高大連携事業の検証
②高校で活用できる教材の共同開発
③教育プログラムの共同開発
④出前授業
⑤テーマ別出前授業案の作成
(2)「新学習指導要領で変わる生物教育」
新学習指導要領への対応として、
①我々が学ぶべきこと
②授業展開
③ 実験項目
④入試対策
(これら以外の、協議テーマをお持ちの方は、事前・当日にご連絡下さい)。
上記講演講師の他 福山大学生命工学部より3名(生物工学科・未定、生命栄養科学科教授・菊田安至、海洋生物科学科講師・渡辺伸一)
【申し込み】
参加希望の場合は、12月22日(火)までに、FAXにて、氏名・学校名を記入して笠岡高等学校・坂本宛に発信してください。 FAX 0865-62-5541
【問い合せ先】
県立笠岡高等学校・坂本憲治 Tel 0865-62-5128 FAX 0865-62-5541
投稿者: 秋山繁治 日時: 14:31|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月04日
慶應大学医学部の課題研究への支援
今年度から始まった慶應大学の未来の科学者養成講座「はばたけ!世界を先導する医学者へ」事業の一環で、高校生の課題研究に、大学の研究者が協力するシステムが動いている。今日は、本校に来られて、実験の進め方について話し合った。現在、生徒が手がけているオオイタサンショウウオの幼生の実験をさらに進歩させた研究になりそうだ。

今までの研究のポスターで説明

飼育下での繁殖について解説

生徒が今進めている幼生の研究について解説
投稿者: 秋山繁治 日時: 18:19|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月03日
ヌマガエルのアルビノを飼育していることが読売新聞に掲載
7月9日に捕獲後、飼育しているヌマガエルのアルビノのことが2009年11月28日の読売新聞に掲載されました。
投稿者: 秋山繁治 日時: 20:01|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)
2009年12月01日
資質・能力を育てる科学的な体験・自然体験-高等学校
「実際に“触れること”が科学的思考を育てる」 秋山繁治
Developing Scientific Thinking through a Program that Provides “Practical Experience” in Nature
はじめに
1989年から小型サンショウウオを飼育し始めてちょうど20年になる。生物教室に同僚が水田に流れ込む溜りで採取したというバナナ状の得体のしれない卵嚢を持ち込んできた。孵化した幼生は、カエルのオタマジャクシの形ではなく、外鰓をもった魚のような形をしていた。湧水近くの溜りに産卵する止水性のカスミサンショウウオであった。当時の私は、ハチやヘビに出会うのが嫌で、水田や山を歩くことが好きではなく、両生類も苦手だった。しかしながら、発生の観察を続けているうちに苦手意識は消えていった。変態して上陸してから2年目に産卵させることができた。しかし、残念ながら、その時の卵は正常に発生しなかった。それ以降、飼育下で正常に受精卵を得ることが私自身の研究のテーマになった。いろいろな両生類の飼育繁殖に取り組み、飼育下でカスミサンショウウオ、オオイタサンショウウオ、イボイモリの受精卵を得られるようになった。今や生物教室は、両生類専用の「動物園」となり、生徒が毎日、生物教室を訪れ、餌やりと研究に取り組んでいる。また、野外での調査を通して、人為的な開発によって両生類の繁殖地が激減していることを目の当たりにし、自然保護について考えるようにもなった。
これまで「動物を飼育すること」から本当にたくさんのことを学んできた。そして、飼育を通して生徒と接してきた経験から、今の高校生に、“動物に直接触れること”と“自然体験を多く持つこと”の必要性を感じるようになった。理科の学習には、知識だけでなく体験が必要である。直接体験が観察する目を養い、科学的思考の礎となる。
動物に直接触れること
小学校の理科の教科目標には、「問題解決の能力と自然を愛する心情を育てる」という記載がある。また、生活科には、動物飼育が設定されている。そこで、総合的な学習の時間の宿題として、出身小学校を訪問して調査レポートを作成することを課してきた(1999年から毎年実施)。あるレポートに、飼育舎の前に「飼育係り以外の生徒は立ち入らないように」と注意書きの看板がある写真が貼られていた。飼育動物は何のために飼われているのだろうか。生徒たちに、飼育動物との思い出が非常に少ないことも実感した。実際に学校で動物飼育の体験をしているのだろうかとも思い、次の段階として、生徒と協力して、「学校飼育動物」についての現状を知るために、岡山県内の小学校にアンケート調査(2008年)を実施した。
この調査で、飼育状況が明らかになってきた。一例として一番多く飼われているウサギの飼育状況を取り上げると、ウサギの雌雄が区別できない学校が54%、雌雄混合飼育が65%、雄の非去勢手術率が91%であった。飼育数が40羽の学校もあった。ウサギは繁殖力が旺盛で、雄はなわばりをもつという特徴に配慮する必要があるが、現実は、雌雄を区別できない学校が多く、避妊しないで雌雄を混在させて飼っているのがわかった。教師でさえ理解が十分でない状態で飼っているので、困難に直面する場合が多いと考えられる。また、出身小学校に出向いての調査で、卒業生として訪問した学校で、「見せることはできない」と拒否されたケースが10年間調査をして2008年に初めて3件発生している。今の小学校が卒業生に警戒しなければならないような状態にあるのか、飼育状況を見られたくないのか、理由は不明である。
中央教育審議会は、動物に触れる教育で「心の教育」を提言しているが、学校現場では、担当教員の知識不足、飼育経費の不足、飼育作業の負担などが原因となり、飼育を敬遠する流れを生み、鳥インフルエンザなどの社会問題と相まって、飼育動物を激減させる現状をつくっている。高校生に、「家のペットと学校飼育動物では、死んだ時にどちらが悲しいか」と質問すると「ペットだ」と答えが返ってくる。それは、身近に接した時間が長い動物ほど愛着がわくという当たり前のことに起因しているのではないだろうか。ウサギは、避妊・去勢をして、飼育数を2,3匹に制限して飼えば、問題なく飼える生き物である。動物への知識があれば、飼育への負担感も少なく抱きごこちのよい動物として子どもたちの心を育てる存在になる。
女子生徒に自然体験が少ない
日本では、社会全体が女性の社会参加に消極的であったという歴史を反映して、科学技術分野での女性の活躍が極めて少ないという特徴がある。平成14年度文部科学白書で「自然体験・社会体験など子どもの学びを支える体験が不足している」が取りあげられている。自然体験の不足が理科離れの一因になっていないだろうか。『理科離れしているのは誰か』(松村編)で“自然体験・生活体験と理科の好き嫌いの関係(中1段階)”を、「トンボやちょうちょなどの虫取りをする」かどうかで見る項目がある。男子の理科好き59.3%、理科嫌い35.2%、それに対して女子の理科好き35.9%、理科嫌い27.7%とある。男子では有意差があるが、女子では大きな差がなく、しかもその体験そのものが少ないことがわかる。実験の役割分担で、男子が中心的役割を、女子が補助的な役割をする傾向がみられたという報告もあるように、学校教育で、女子生徒に対してジェンダーバイアスがかっているとの意見もある。女子の理系への進学率が少ないことの裏側に、自然体験の不足と直接実験に取り組む機会の少なさが理科嫌いをつくっているとしたら、理科好きを増やすために、自然体験と実験・実習の機会を増やす取り組みが必要だということがわかる。
高校教育に動物飼育や自然体験を盛り込む
本校は女子校で、構成する生徒はもちろん女子のみである。生徒会活動や実験・実習などすべての教育活動において、女子がリーダーシップをとらざるを得ない。そのことは逆に言えば、リーダーシップを養成し、積極性を身につけるのに適した環境であるともいえる。
女子の理系進学者が国際的に比較して非常に少ない日本において、その中でも理系が少ないと思われがちな女子校である本校で、あえて理科好きを育てるプログラムを構築した。そして、2006年度から文部科学省のスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けて、多くの自然体験と実験・実習を盛り込んだプログラムを実施している。入学時から普通科の中に別枠で「生命科学コース」を設定した。まずは、理系でも比較的女性進学者の多い“生命科学”の分野に進路を考えている生徒のためのコースから始めようという試みである。
どのような教育内容を盛り込んでいるか。
「生命科学コース」の大きな特徴は、①自然体験、②実験実習、③課題研究であり、それぞれ、大学と連携して行っている。
①自然体験
「野外実習」(高1全員、4泊5日)、「沖縄研修旅行」(高2全員、3泊4日)、「ボルネオ海外研修」(希望者、8泊9日)がある。
「野外実習」は、全日程を森林を学ぶことをテーマに、講義(地球環境、森林を構成する樹木の特徴)と実習(野外での樹種学習、枝打ち、ジャングルジムからの林冠部観察、森林調査)で構成している。森林調査では、プロット(10m×10m)をグループごとに受け持って、樹木(樹高・胸高直径・樹齢)を測定し、そのデータからそのプロット内の樹木が1年間で吸収する二酸化炭素量を計算する。林道から森林に足を踏み入れての作業は、初体験で自然に触れる機会が十分ある。
「沖縄研修旅行」は、全泊西表島で、イリオモテヤマネコやオオコウモリの研究者の講義、夜間動物観察、山からマングローブ林までのトレッキングをしながらの動植物観察、シュノーケリングやカヤックによる海の動物観察で構成している。
「ボルネオ海外研修」は、マレーシア国立サバ大学と連携して、環境学習と国際性の育成をテーマにして、大学での講義、世界遺産であるキナバル公園やマングローブ、キナバダガン川での動植物観察、森林火災の跡地での植林作業、英語による課題研究発表、地元の高校生との交流がある。
②実験実習
通常の高校の実験とは別に、大学の施設で行う「生命科学実習Ⅰ」(高1全員、3回)、「生命科学実習Ⅱ」(高2、2回)がある。これらの実習で、高校の教科書を超えた応用分野が学習できる。
「生物科学実習Ⅰ」は福山大学生命工学部と連携して行っている。内容は「大学の実験室や研究室を覗いてみよう」、「海洋生物の研究」、「食品栄養学実習」である。
「生物科学実習Ⅱ」は岡山理科大学と連携して行っている。内容は「ゲノムDNA抽出とDNAプロファイリング」、「尿タンパク半定量検査”」である。

ブナ林での幼樹の調査

森林調査(蒜山)

ボルネオ森林復旧の植林
③課題研究
課題研究は、3つの研究グループから生徒が選んで取り組む形で行っている。 私が指導しているグループを例にすると、有尾類と酵母を研究材料にしている。
有尾類については、人工受精の方法の確立と孵化後の幼生の良好な飼育条件を見つけること、人工受精後の正常発生率を上げること、卵や精子の受精能力の保持期間を延ばすこと、幼生飼育の飼育密度、餌、共食いの影響などを調べて好ましい条件を見つけることを目指して研究している。
酵母については、花や果実に比較的多く生息しているといわれる「花酵母」(野生の酵母)の分類に取り組んでいる。同じ酵母がいろいろな花に分布していることが予測されるので、花の種類と酵母の種類の相関を分析することによって、生態系の理解が深まると考えている。顕微鏡観察による形態、リボソームRNAをコードするDNAの塩基配列や電気泳動核型、発酵能力の有無などで分類しようとしている。
どのように育っているか
「直接触れる体験」の重視した学習の中で、リーダーシップの養成、国際性の育成、ロールモデルの提示を盛り込んで取り組んできたSSHの教育プログラムの成果はどうだろうか。後で示した“SSH研究開発の成果・生徒の変容”のデータで判断していただきたい。
今年度は、特別な地域に出かけるのではなく、学校周辺の自然に目を向けるような取り組みを始めている。「総合的な学習の時間」で、本校のある二子の丘の植物観察、周辺の水田地域の動物観察、さらに課題研究として、学校周辺に生息するカメに注目して、クサガメと帰化動物のアカミミガメの標識再捕法とテレメトリーによる行動調査を行っている。これからも、“直接触れる体験”を重視した教育を進めていきたい。
平成14年の小学生対象の調査(中村博志氏他)で「一度死んだ人が生きかえることがあると思うか」の問いに、約3分の1が「ある」と答えたことが新聞で報道され、子どもの生命に対する感覚の変化に対して「心の教育」の重要性が叫ばれた。その背景として、小学生に「自然体験・社会体験など子どもの学びを支える体験が不足している」ことが主張された。自然体験が不足しているのは小学生だけだろうか。私は、中学生や高校生、大学生、そして、大人にもあえて自然体験の機会をつくることが必要な時代が到来していると考えている。
参考文献
松村泰子編『理科離れしているのは誰か』日本評論社2004
秋山繁治・田中福人「清心女子高等学校 生物部の歩み」『生物工学会誌』第86,pp415-416,生物工学会,2008.
秋山繁治「有尾類の教材化について・環境に目を向ける教材としての利用」『岡山県高等学校教育研究会理科部会会誌』第47号, pp20-28,岡山県高等学校教育研究会理科部会,1997.
秋山繁治「有尾類の教材化について(2)・胚の発生の授業展開」『岡山県高等学校教育研究会理科部会会誌』第55号,pp26-33,岡山県高等学校教育研究会理科部会会誌,2005.
梅村錞二・秋山繁治「ため池の脊椎動物(魚と両生類)」『水環境学会誌』Vol.26,No.5,pp18-21,日本水環境学会,2003.
秋山繁治「有尾類の保護を考える」『岡山県自然保護センターだより』Vol.14 (3),pp2-6,岡山県自然保護センター,2005.
投稿者: 秋山繁治 日時: 10:21|パーマリンク |コメント (0) |トラックバック (0)





