2011年12月10日
カスミサンショウウオの雌が繁殖地に現れました。一般的に、カスミサンショウウオでは、寒い2月から3月に雄が繁殖地(溜りの水の中)で雌を待ち、産卵に来た雌と出会って繁殖行動をします。その後、雌は姿を消します。調査で捕獲しやすいのは雄で、雌が見られるのは、繁殖最盛期前の水辺周辺です。今回、12月10日に腹部の大きい(卵をもっている)雌が出てきたということは、ここ1週間で産卵が行われる可能性があることを示しています。


カスミサンショウウオの雄

カスミサンショウウオの雌。腹部が膨らんでいる
投稿者: 秋山繁治 日時: 20:20|パーマリンク | コメント (1)
2011年11月24日
カスミサンショウウオの繁殖期には、雄が早めに小さな溜りに入水し、雌を待って待機します。雌雄が出会うと、産卵行動に入り、産卵を終えた雌は去り、雄だけが卵嚢の近くで待機を続けるというのがパターンです。今年は、11月なのに、雄が入水したということは、繁殖期に入ったと判断できます。昨年、同じ場所で12月に産卵したので、今年も早い時期に卵嚢を発見できそうです(山田勝さんからの情報です)。


カスミサンショウウオの繁殖場所
投稿者: 秋山繁治 日時: 17:46|パーマリンク | コメント (0)
2011年04月10日
例年に比べても、他の地域に比べても、産卵が非常に遅かった。水が少ない。


胚の発生段階も早い
投稿者: 秋山繁治 日時: 19:15|パーマリンク | コメント (0)
2011年04月09日
3月上旬にカスミサンショウウオの産卵を自宅の人工池で見つけたが、新たにもう一対の産卵を確認した。


遅い時期に産卵されたらしい
投稿者: 秋山繁治 日時: 09:24|パーマリンク | コメント (0)
2011年03月06日
カスミサンショウウオも自宅池に産卵していた。今日見つけたのは2対。いずれも卵嚢も、岡山でみられるものに比べて含まれる卵数が多く、すごく長いのが特徴だ。


発生段階は神経胚を超えている

こちらは少し短い
投稿者: 秋山繁治 日時: 19:15|パーマリンク | コメント (0)
2011年02月27日
12月末に、カスミサンショウウオを産卵を県中部で観察したが、岡山市瀬戸町の産卵地ではまだ活動は見られなかった。まだ、水が溜まってもいなようで産卵しようがないのかもしれない。

投稿者: 秋山繁治 日時: 20:37|パーマリンク | コメント (0)
2010年12月29日
両生類の産卵は、春から初夏が中心ですが、アカガエルとサンショウウオの仲間の一部は、春になる前(つまり、冬)に産卵します。でも、今年、カスミサンショウウオが12月に産卵した(12月29日の段階で桑実胚)というのは早すぎます。


8対の卵嚢を確認

産卵場に来ていたカスミサンショウウオ♀

性成熟したカスミサンショウウオ♂
投稿者: 秋山繁治 日時: 22:38|パーマリンク | コメント (1)
2010年05月29日
生物教室のカスミサンショウウオはすでに上陸を始めているが、蒜山のカスミサンショウウオは、まだ小さな幼生であった。上陸は6月になってからだと推測される。


カスミサンショウウオの幼生
投稿者: 秋山繁治 日時: 19:44|パーマリンク | コメント (0)
2010年03月21日
今年も、岡山では産卵数が多い湿地で産卵数の調査をした。

投稿者: 秋山繁治 日時: 18:55|パーマリンク | コメント (0)
2010年02月06日
県中部の方が、県南より産卵が早いようだ。すでに産卵されてから日数が経過した卵嚢を確認した。産卵していない雌がいたので、繁殖期真っ最中と判断できる。


時間が経過した卵嚢

産卵前の雌

卵嚢の近くで雌を待っていた雄
投稿者: 秋山繁治 日時: 18:02|パーマリンク | コメント (0)
2010年02月01日
生命科学コース2年生は、サンショウウオを材料に1年間、課題研究に取り組んできた。発生生物学研究グループでは、年度末の時期に2年生から1年生に研究内容を伝えるとともに、サンショウウオの扱い方についても教えることになっている。

投稿者: 秋山繁治 日時: 18:53|パーマリンク | コメント (0)
そろそろカスミサンショウウオが活動を始めるころです。学校に行く前に午前7時過ぎに観察のための産卵床をセットしに繁殖地に行きました。見つけやすくするための産卵床は、僕が考案したものです・・・。

投稿者: 秋山繁治 日時: 18:46|パーマリンク | コメント (0)
2009年05月13日
サンショウウオの異種間雑種を4年前に作成した。手が張れるような状態で死亡。異種間雑種でも生殖能力をもつのかという疑問があったが、迷宮入りだ。ただし、遺伝子の状態が気になるので、後日、この死体が役に立つことがあるかもしれないので、-80℃で凍結保存しておこうと思う。

投稿者: 秋山繁治 日時: 21:06|パーマリンク | コメント (0)
2009年05月04日
生徒が、低地型カスミサンショウウオで幼生の飼育実験をしている。僕の方は生殖腺の変化を観察する資料として、孵化後から観察したかったので、産卵時期が遅い高地型カスミサンショウウオの卵を採取するために繁殖地に向かった。


高地型カスミサンショウウオの卵嚢
投稿者: 秋山繁治 日時: 20:03|パーマリンク | コメント (0)
2009年04月18日
2月15日、2月25日に孵化したカスミサンショウウオの幼生を約2か月間生物教室で飼育し、復旧した池に放流した。一時間くらい運搬したが、死亡個体はなく、幼生は元気に泳いでいた。放流した池の水温はまだ10℃以下であり、飼育水温(15~20℃)に比べて低かった。
投稿者: 秋山繁治 日時: 18:42|パーマリンク | コメント (0)
2009年04月11日
動物の飼育に、休みはない。土日も、祝日も毎日世話が続く。課題研究に取り組みでは、実験材料となる動物が飼育できることが研究の土台になっている。


幼生の飼育の様子

生存率に対する飼育密度の影響は・・・

今年は産卵が早く、早く変態。
投稿者: 秋山繁治 日時: 18:47|パーマリンク | コメント (0)
2009年04月10日
岡山市内のカスミサンショウウオの繁殖地を訪問した。幼生は受精膜を破って孵化していいた。卵嚢の外膜が丈夫なので中に残っているものもいるが十分泳げるまでに成長していた。


水溜りで泳いでいる幼生
投稿者: 秋山繁治 日時: 19:12|パーマリンク | コメント (0)
2009年03月15日
自宅の池でオオイタサンショウウオもカスミサンショウウオも産卵を確認した。両方とも発生は正常なので、ちゃんと受精していると考えられる。


産みつけられたオオイタサンショウウオの卵嚢

カスミサンショウウオの卵嚢は水草に付着
投稿者: 秋山繁治 日時: 09:12|パーマリンク | コメント (0)
2009年03月14日
岡山県内で20年間、カスミサンショウウオの繁殖場所を調査してきたが、一か所に100対以上の卵嚢を確認することはなかった(北九州市の若松区では100以上を確認経験あり)。今回は157対の卵嚢を確認した。来年以降、生態を調べるのに最適な場所を見つけることができた。

投稿者: 秋山繁治 日時: 18:23|パーマリンク | コメント (0)
2009年02月26日
昨年から、土砂で埋まってしまったカスミサンショウウオの繁殖地の復旧作業をしてきたが、その場所で産卵を確認することができた。卵嚢13対があったので、雌が13匹生息していることは確かである。

投稿者: 秋山繁治 日時: 18:31|パーマリンク | コメント (0)
2009年02月12日
台風の影響で土砂に埋もれて、水溜り(直径2m程度)がなくなっていた場所を、2008年度から生物部の生徒と一緒に、水溜りを復旧する作業を始めた。この場所で、5年間産卵が確認されていなかったので、3月に近隣から卵嚢を採取し、6月まで学校で変態直前段階まで育てて放流する試みも行った。産卵直前の1月には、水の流れを導いて、水量を確保した。
1月11日に、この取り組みに協力していただいている公園管理の方から、「4対産卵していますよ」という電話をいただいた。カスミサンショウウオは産卵できるまで成熟するのに、最低でも2年かかるから、今回産卵した個体は、産むのを我慢してどこかに潜んでいた個体である。幼体の放流の効果は、2年以上経過しないと確認できない。
投稿者: 秋山繁治 日時: 20:19|パーマリンク | コメント (0)
2009年02月08日
カスミサンショウウオが、県南の玉野市でも産卵を開始した。卵の発生段階を観察したところ、ごく発生初期でゼリーも膨潤、ていないので、昨晩産卵したことが推測される。


ゴミの投棄場所になっている

捨てられているゴミ
投稿者: 秋山繁治 日時: 19:37|パーマリンク | コメント (0)
2009年01月22日
昨年から、土砂の流入で乾燥化が進んで、カスミサンショウウオが産卵できなくなった場所(玉野市)の復旧作業をしている。春に掘った穴に水が溜まっていたので、今日は、さらに掘り下げるとともに、流出する水路を造成した。あいにくの雨だった。
幼生の放流は今年の春に実施したが。性成熟には最低2年かかるので、今年産卵するとは考えられない。卵嚢が確認できれば、隠れていた成体が産卵にきたものと考えられる。産卵期の調査が必要だ。

投稿者: 秋山繁治 日時: 20:54|パーマリンク | コメント (0)
2008年03月08日
昨日から人工池を増設しようと、プラスチック製の水槽を畑に埋め込む作業をしていた。これまで産卵は、3月下旬から遅いときは5月という具合だったので、あまり期待もなく、ふと見ると落ち葉に産み付けられたオオイタサンショウウオの卵のう1対が確認できるではないか。それに、水底にカスミサンショウウオのやや小さめの卵のうまでできた。卵のうは、産卵後、数日経過したぐらいの状態であった。


オオイタサンショウウオの卵のう

カスミサンショウウオの卵のう
投稿者: 秋山繁治 日時: 13:39|パーマリンク | コメント (0)
2008年03月05日
学校に行く前に、カスミサンショウウオの繁殖地を調査したら、昨晩、3対の卵のうを確認した。まだ、十分に膨潤していないので、外膜が青白く見える。

また、卵のうを確認した溜まりにサンショウウオの成体の死体を二匹確認した。いずれもかじられたような傷があった。
投稿者: 秋山繁治 日時: 08:48|パーマリンク | コメント (0)
学校に行く前に、カスミサンショウウオの繁殖地を調査したら、昨晩、3対の卵のうを確認した。まだ、十分に膨潤していないので、外膜が青白く見える。

また、卵のうを確認した溜まりにサンショウウオの成体の死体を二匹確認した。いずれもかじられたような傷があった。
投稿者: 秋山繁治 日時: 08:48|パーマリンク | コメント (0)
2007年05月28日
登校する前、早朝、カスミサンショウウオを観察してきました。県南(児島地域)では、まだ幼生を確認できました。かなり小さな個体もいたので、5月に入ってからの産卵があったかもしれません。


カスミサンショウウオの幼生
投稿者: 秋山繁治 日時: 10:46|パーマリンク | コメント (0)
2007年05月23日
生徒とカスミサンショウウオの幼生の飼育実験を密度効果に絞って実施しているが、共食い個体が出現している。特徴は、共食いをする個体は、同じ環境(同じ容器)で育っていても大型で、口が大きく、変態前の段階をむかえた個体の大きささえ凌駕している。

全体的に共食い個体は大きい。頭胴長が28.11mm、全長55.72mm。

頭も大きい。胴幅が8.73mm

変態前の個体の頭胴長は21.91mm、全長40.46。頭幅は5.29mm。
投稿者: 秋山繁治 日時: 21:29|パーマリンク | コメント (0)
2007年05月20日
岡山県北部で、カスミサンショウウオの3箇所で卵嚢(2対、3対、2対)を確認した。2箇所では、卵嚢付近に成体雄も確認できたので、5月末でも産卵している可能性がある。

投稿者: 秋山繁治 日時: 22:54|パーマリンク | コメント (0)
2007年04月28日
2月28日に孵化したので、今日でちょうど2ヶ月になる。としかく二ヶ月間、飼育下で保護し、放流することでどのくらい繁殖場所の生息数に影響するかが楽しみだ。卵を採取した場所(上流の溜まり)は、枯葉に埋まった状態だったので、枯葉を除去して、水溜りを復活する必要があった。放置していてもかなり厳しい状況だったと思う。上流の溜まりには、120匹を放流した。台風前は多くの卵のうが確認できた場所(下流の溜まり)で、幼生を探したが、一匹も採取できなかったので、今年は産卵がなかったと思われる。下流の溜りには、284匹を放流した。その他に、少し離れた場所で、幼生が確認できた場所に30匹を放流した。2007年度は、全部で424匹を放流した。


不法投棄されてた粗大ゴミ

タッパー1個に20匹を入れて、22箱放流。

放流に参加した生徒は2人

放流すると元気よく泳いで行った。移動による死亡は0
投稿者: 秋山繁治 日時: 17:25|パーマリンク | コメント (0)
今年も飼育したカスミサンショウウオの放流の季節がやってきた。土曜日でも、生命科学コースの生徒は午前中は授業なので、午後から繁殖地に向かう予定である。下は放流前の最後の写真。


変体直前の幼生

3匹はすでに鰓を失って変態完了
毎年、変態を始めて陸上生活を始める個体を見つけた時点で放流している。それは、幼生期に天敵に襲われやすいのを避けたいのでできるだけ長く保護したいというのと、変態してしまってからでは、野外生活に適応しにくいのではないかということを考慮してのことである。体長約39.00mm。
投稿者: 秋山繁治 日時: 13:09|パーマリンク | コメント (0)
2007年02月21日
新たに2対(54個+68個、94個+107個)を岡山市K山で確認した。岡山は、卵数が一般的に少ないが、見つけた卵嚢は大きく、年齢を重ねた大きな雌だと考えられる。
投稿者: 秋山繁治 日時: 21:50|パーマリンク | コメント (0)
2007年02月17日
岡山市内でも、カスミサンショウウオの産卵を確認した。一箇所に3対が産み付けられており、神経胚後期で神経管ができているものや、尾芽胚になっているものもあった。


神経版が閉じてきている時期の胚

幼生の姿に変化してきている尾芽胚
投稿者: 秋山繁治 日時: 18:47|パーマリンク | コメント (0)
2007年02月15日
玉野市でも、一箇所で5対の卵嚢を観察したので、産卵は最盛期に入っていると考えられる。やはり、暖冬の影響で、半月は早まっている。


一対の卵嚢(卵数は43個と41個)

カエルも板の下で越冬中・・・。
今日の玉野市を中心にした調査でも、3年前の台風のときの水で、カスミサンショウウオの産卵場所に土砂が流れ込んでいる場所が多いので、産卵場所を復旧するような取り組みが必要だと感じている。同じことが、岡山市で起こっている。道路や水路がコンクリート化させている環境では、繁殖地は、自然に・・といっても無理で、人間が手立てをしない限り、減少しているのが事実である。
投稿者: 秋山繁治 日時: 19:33|パーマリンク | コメント (0)
2007年02月07日
カスミサンショウウオでは、例年3月が産卵が盛んな時期になるが、今年は2月初旬から最盛期に近い状態なっている。暖冬の影響と考えられる。


一箇所に集中的に産卵

カスミサンショウウオの♂

付近で見られたアカガエル
投稿者: 秋山繁治 日時: 09:38|パーマリンク | コメント (0)
2006年06月23日
岡山市内のカスミサンショウウオと比較するために北九州市のカスミサンショウウオの卵を飼育してきましたが、6月中旬には変態して、上陸しました。遅い時期(4月)に産卵することもありますが、野外でも変態しているものが多いと考えられます。ただし、発生速度は、水温の影響を受けるので、冷たい湧水が注いでいるような溜まりなら、まだ幼生が見られると思います。

投稿者: 秋山繁治 日時: 15:39|パーマリンク | コメント (0)
2006年06月21日
瀬戸内海放送の「地球ステーションライブラリー」という番組(夕方18時頃)で、清心女子高校のサンショウウオの研究活動が紹介されました。生物部の生徒と、毎日餌当番をしている生命科学コースの生徒がでています。放送された番組は、HP上のライブラリーに掲載してあるので、いつでも見ることができます。
投稿者: 秋山繁治 日時: 22:26|パーマリンク | コメント (1)
2006年06月06日
6月6日に貝殻山にカスミサンショウウオを放しに行きました。3月末に現地で採取した卵を学校で2ヶ月半飼育して、変態が近くなった状態にまで育ったので、元に戻そうというわけです。放流後1週間ぐらい外的に襲われなければ、無事に上陸することができると思います。今回、放流したのは256匹ですが、2年後に成体になって、産卵してくれれば、サンショウウオの生息数を増やすことができるのではないかと考えています。一昨年の台風で、産卵場の池は砂で埋まった状態ですが、残された狭い水域で、なんとか生き延びて欲しいと思います。

投稿者: 秋山繁治 日時: 19:31|パーマリンク | コメント (0)
2006年05月16日
学校のある”二子の丘”のタケノコも成長し、木々も新緑から濃緑色に変化してきています。入学式の時に花を咲かせていたソメイヨシノも今や枯れた花びらさえありません。生徒が毎朝上ってくる歩道脇のアメリカ風の葉も日に日に大きく、そして色濃く成長してきました。

倉敷市内のカスミサンショウウオはすでに産卵して、変態が近い時期を迎えていますが、県北のサンショウウオは5月が産卵期です。カスミサンショウウオもまだ孵化していません。

投稿者: 秋山繁治 日時: 13:36|パーマリンク | コメント (0)
2006年05月07日
岡山市(児島半島から岡山空港付近まで)のカスミサンショウウオは、産卵期が3月から4月上旬ですが、県北部のカスミサンショウウオは産卵期が4月末から5月で、成体の外見、卵のう内の卵数が少ないなどの特徴があるので、特に「高地型」と言われています。今のところ、遺伝子レベルでの違いは明らかになっていません(県南部のカスミサンショウウオは、「低地型」といわれます)。


高地型カスミサンショウウオの卵のう
投稿者: 秋山繁治 日時: 17:38|パーマリンク | コメント (0)
2004年01月01日
2000年にだされたレッドデータブック(※)に京都・大阪地域の個体群が「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」として、保護の対象に取り上げられています。その原因は大規模な土地開発による生息地の消失と、それにともなう汚水の流入などの環境悪化、減反による 水田の乾燥化、そして、ペットとしての捕獲、アメリカザリガニや外来の捕食性魚類による捕食などがあげられていますが、このような状況は、保護対象となった個体群だけでなく、各地の止水性サンショウウオを取り巻く状況でもあります。
水田側溝のコンクリート化が進み、コンクリート製のU字溝が、陸上と水域を分離する「死のトラップ(落とし穴)」になっている例が報告されています。私自身も岡山市湯迫で、乾燥化したコンクリート水路の底にカスミサンショウウオの死体を見つけたことがあります。産卵場に使われていた素掘りの水路は乾燥したコンクリート水路になってしまうと、工事後数年間は、生き残った成体がしばらくは産卵にきますが、徐々にその数は減少していくのが常です(写真13,14)。


写真14.工事後:コンクリート化された水路
次にゴミの投棄によって生息地が汚染される場合があります。産卵に使われる場所は、人里離れた環境であることが多いのですが、そんな場所ほど不法投棄の場所になりやすいのも事実です。実際に岡山市内の産卵場所に、冷蔵庫や自転車、バイク、瓦礫などが投げ込まれている状況があります(写真15)。大型ゴミ引取りの有料化の煽りを小動物が受けているのです。

さらに、岡山市内でもペットショップでカスミサンショウウオが売られていました。人間のペット指向の多様化を受けて、これまで家庭で飼育されることが少なかった両生類すら乱獲される可能性があるのです。
人里に近い環境に棲んでいるがゆえに、近年、道路や水路の工事や圃場整備などの人間の生活に関するものの影響を受けて、生息地を激減させているサンショウウオの保護を考えていくと、効率化を優先してきた現代社会とのシステムそのものの問題点までみえてくるかもしれません。
※環境庁編。2000.改訂・日本の絶滅のあるおそれのある野生生物 -レッドデータブック- (爬虫類・両生類).120pp.
投稿者: 秋山繁治 日時: 17:42|パーマリンク | コメント (0)
カスミサンショウウオと分布が重なる止水性のものとして、大分県を中心に熊本県と、大きく離れた高知県の一部に隔離して分布しているオオイタサンショウウオがいます。環境庁のレッドデータブック(※)の「絶滅の危険が増大している種」という絶滅危惧種2類(VU)にあげられている種で、生物地史を考えていく上で重要なものと考えられています。カスミサンショウウオより体が大きく、全長が10~16cmあります。また、尾の上下に黄色い縁取りはなく、全体的に緑がかった褐色をしています。卵嚢は大きく、外膜がしっかりしており、カスミサンショウウオのものと区別できます。
投稿者: 秋山繁治 日時: 17:42|パーマリンク | コメント (0)
アカハライモリの受精は、貯精嚢に貯えておいた精子を使った体内受精であると述べましたが、有尾類の約90%の種は体内受精をしています。両生類というと、カエル(無尾類)を思い浮かべられることが多いですが、体外受精をし、幼生として変態するまでの時期を水の中で過ごし、陸に上がって性成熟に達するというのは、今回紹介しているカスミサンショウウオを含むサンショウウオ科とオオサンショウウオ科だけです。
また、アカハライモリは、多精(一個の卵に多くの精子が入っていくタイプ)だと紹介しましたが、カスミサンショウウオはカエルと同じように、単精(一個の卵に一個の精子が入るタイプ)です。受精した卵は、卵膜の中で、卵割(細胞分裂)をして、2個、4個、8個、16個と細胞を増やしていき(写真9)、表面が滑らかなボールのようになった後で、それぞれの細胞が大きく動き出して神経、目、外鰓をつくり、幼生になっていきます。産卵後、3~4週間で卵膜を破って、卵嚢内を動くようになります。孵化した幼生は、イモリの幼生と同じくバランサー(平均体:幼生期の初期に身体の平衡を取る役割をする)をもっていますが、2週間程度で脱落します(写真10)。幼世紀は主に小さな水生昆虫などを食べて変態に向けて成長していきますが、動くものであればなんでも噛みつくため、幼生どうし共食いをすることも多く、自分たちの仲間を栄養源の一部にしています(写真11)。


写真10.外鰓やバランサーができている状態

写真11.孵化を始めた幼生
幼生は、6~8月に変態して陸上生活に移行します(写真12)。飼育下で2年目から産卵が見られたことから、孵化後2年程度で性成熟し、産卵場に出現すると考えられます。幼体、成体は昆虫やクモ、ミミズなどの小動物を捕食しているようです。冬期は、瓦礫や朽木、腐食土の下で越冬しています。

投稿者: 秋山繁治 日時: 17:37|パーマリンク | コメント (0)
カスミサンショウウオの成体は、繁殖場所である水田側溝や湧水が流れ込む水溜まりの周辺の林床で生活しています。地中のミミズやモグラなどの掘った穴を利用しています。夜行性で、地中で生活しているので、日常生活で出会うことはめったにありませんが、その姿を見かけるとすれば、繁殖期に産卵場所に集まってきたときです。
産卵は、県南部では2~3月で、県北部では4月が最盛期になります。県北部の上斎原村や西粟倉村のように残雪があって水温が上がらない地域では、5月になって産卵がみられる場合もあります。流れがないか弱い、そして水温が安定した場所を選んで、毎年同じ場所を産卵に利用します(写真4)。
産卵場所に訪れるのは雄が先です。県南部の備前市で、最盛期より随分早い1月1日に水中に潜んでいる雄を見つけたことがあります。気の早い雄は12月でも産卵場に現れて、雌をまっているのかもしれません。この時期は、雌雄ともに尾幅が広くなり、尾長も長くなります。特に雄の変化は顕著で、頭幅が大きくなり、尾がひれ状に見えるほど著しく変化をする個体もあります。
水中に入り、繁殖場所にたどり着いた雄は落ち葉などの堆積物の下、植物の陰、泥の穴、石の下などに縄張り(テリトリー)をつくり、水中でじっと雌が産卵にくるのを待ちます。近づいてくる雄には、「噛み付く」、「吻端でつつく」、「尾を激しく振る」などの行動をします。捕獲した雄の尾に傷をしたものが多くみられるのは、縄張り争いの結果かもしれません。産卵直後の卵嚢近くで雄を見つけることが多いのは、その場所で縄張りをつくっているからです。
雄は他の個体に出会うと、吻端を相手に近づけ、雌のときには尾や体全体を硬直させたよう姿勢で、ピクピクと振動させる行動をします。この行動で雌は雄が近くにいることを判断していると考えられます。雄に刺激された雌は、植物の根や茎、枯れ枝、石などにしがみつき、総排出腔開口部をおしつけるようにしながら卵嚢の端(ゼリー状のもの)を付着させてから、身体を離していきます。卵嚢の端は産卵後しばらくの間だけ接着力があるので、接着された部分を支点にして、房になったバナナ状の卵嚢を対にした形で産卵します(写真5、6)。県南部では一卵嚢に直径2~3mmの卵が30~60個入っています。卵嚢の形や含まれる卵数については、地域によって差があり、岡山県上斎原村で産卵されたもの(写真7)では、15~30個、北九州市のもの(写真8)では、一卵嚢に80~120個の卵が入っています。


写真6.産卵直後の卵嚢(玉野市)

写真7.カスミサンショウウオの卵嚢(上斎原村)

写真8.カスミサンショウウオの卵嚢(北九州市)
産卵が近くなると、雌の総排出腔付近から誘引物質(フェロモン)が分泌されるようで、雄の動きが急に激しくなり、誘引物質が付着した卵嚢を抱えるような姿勢で放精し、受精させます。産卵後10分程度で積極的に抱きつくような行動をしなくなるので、誘引物質が水溶性物質でできており、拡散して効果を失ってしまうと考えられます。産卵前の雌は、卵が卵巣から体腔に排出されているので、腹部をみると黒い卵の粒が見えるのに対して、産卵後の雌は痩せたような状態になっているので、産卵前か後かの区別ができます。雌は産卵を終えると陸上に上がっていきますが、雄はその場所に残って、次の繁殖の機会を待ちます。水中で雌をまっている期間はほとんど餌を採らないので、繁殖期の終わりには体重は減り、尾幅、頭幅がしだいに小さくなり、やがて繁殖場所を離れていきます。
投稿者: 秋山繁治 日時: 17:00|パーマリンク | コメント (0)
カスミサンショウウオについて
現在、岡山県にはサンショウウオ科の仲間が4種類生息していますが、カスミサンショウウオは県南部の児島半島から県北部までに最も広く分布しています。サンショウウオ科には、池や沼、湧水の水溜まり、緩やかな流れの淀みなどに産卵する止水性の種と、山地の流れの激しい渓流で産卵する流水性の種がありますが、カスミサンショウウオは西日本の代表的な止水性の種であり、岡山県では止水性の種はこの種だけです。
カスミサンショウウオは、全長は成体で7~11cm、雄(写真1)の方が雌(写真2)より体がやや大きいです。体色は暗褐色から黄褐色で、脇腹に霞のような斑点と尾の上下に黄色の縁取りがあるのが特徴ですが、地域による個体差が大きく、特徴の現れていないものもいます。県南部の標高300m以下の低地に棲むものと、標高600~1000mの県北部の高地に棲むもの(写真3:高地型)で、外部形態や卵嚢に違いがあるようです。


写真2.産卵前の雌(佐伯町)

写真3.高地型のカスミサンショウウオ(上斎原村)
投稿者: 秋山繁治 日時: 16:47|パーマリンク | コメント (0)
1993年04月01日
1993年4月1日発行 『岡山県自然保護センターだより』に寄稿した「早春に産卵する両生類の仲間カスミサンショウウオ」から抜粋
サンショウウオといえば、オオサンショウウオが有名で、体も大きく、国の天然記念物しかも個体指定の特別指定天然記念物で、県北の渓流にすんでいます。これに比べて、ここにすんでいるカスミサンシヨウウオはイモリぐらいの大ささで、体長は7~11cm内外と小さく、山林の落葉の下などにすみ、色も地味であまり目立ちません。
しかし、れっきとした両生類有尾目の一員で、同じ小型のハコネサンシヨウウ才、プチサンショウウオ、ヒダサンショウウオとともに県下の自然が残る山林に接した水田や湿地に生活しています。ハコネサンショウウオ、プチサンショウウオ、ヒダサンショウウオの3種は県北の森林に生息していますが、カスミサンショウウ牙は県北部にはあまり数は多くはなく、吉備高原を中心に県中部から南部にかけて比較的多くみられます、
このカスミサンシヨウウオは、有尾類と呼ばれるように成体は尾をもち、水中ですごす幼生と変態して肺を生じた成体とは外形的によく似ています。いわば変態は外形的には不完全ともいえます。体の色は、黄褐色から暗褐色、背中に黒い斑点、体側に白い斑点がかすみ状にたくさんあるのが特徴です。普段は山地に行動範囲を持ち、昆虫、クモ、ミミズなどを捕らえて食べています。夜行性で、昼間は石や倒木、落葉の下へ潜んでいて、このため足元にいてもなかなかお目にかかれません。しかし、繁殖期の1月から3月には、その山林近くの湧水が流れ込む溜りや水田の脇溝に卵を産みに現れます。この時期に見られるのは多くが雄で、後からくる雌をじっと水中で待っています。産卵は水中で、カエルと同じ体外受精です。卵の入った1~3回巻いた長い紡錘形の一対の卵嚢を産みます。卵は、約3週間で船化し、外鰓をもった幼生は水中の小動物を食べて育ち、約3ケ月で変態して成体になり、陸上生活にはいります。
自然の残された場所で、多くの人に気つかれず、臆病に、やみくもに出歩くこともなく、鳴き声もたてず、ひっそりと生活をしているのです。一年中水溜りが乾燥しない湿地をもっとも好んですみます。このセンターでは、幼生が見つかりました
が、多くの地域で水田側溝がコンワリート化され、かつて分布していたところにだんだん姿を見せなくなっています。
わたしが勤めている学校の山沿の水路では、1989年1月にコンクリートの側溝で成体を確認したのを最後に、それ以来姿を見ることはなくなりました。岡山市でも毎年産卵が見られた場所が、側溝工事後の一昨年の卵を最後に、産卵が見られなくなりました。環境整備と自然保護はどちらも大切です。しかし両立は難しいものです。環境整備で生息地がゆがめられても、けなげに生きているカ
スミサンショウウオなどの小動物に対して、彼らが安心して産卵できる本来の自然を少しでも多く残すと共に彼らを優しく見守ってやりたいものです。
投稿者: 秋山繁治 日時: 10:58|パーマリンク | コメント (0)
1993年01月15日
毎日、大平山にカスミサンショウオを観察に行く。1月9日に雄2匹(水温9℃、気温7℃、小雨)、1月15日にも雄2匹(水温9℃、気温13℃、晴れ)を溜りで確認した。
投稿者: 秋山繁治 日時: 20:15|パーマリンク | コメント (0)
1992年03月11日
倉敷市児島の由迦山で孵化した幼生、成体雄を確認した。
投稿者: 秋山繁治 日時: 20:24|パーマリンク | コメント (0)
1992年03月08日
備前市の大平山と倉敷市児島の由迦山で卵嚢を確認した。
投稿者: 秋山繁治 日時: 20:19|パーマリンク | コメント (0)
1992年03月01日
大平山で、カスミサンショウウオの卵嚢を6対確認した。
投稿者: 秋山繁治 日時: 20:27|パーマリンク | コメント (0)
1992年01月02日
小鳥の森の近くの溜りで、繁殖期が近くなったらしく、雄を確認することができた。体長106mm、頭胴長49mm、頭長12mmであった。水温は7℃。