2011年12月09日

サンショウウオも、ヌマガエルも廊下に移動

生物教室内は、高温期や冷凍庫があるので、冬は外気温に比較して室温が高くなってしまいます。サンショウウオやカエルにとって、生殖腺の正常な発達に悪影響があるので、毎年12月に廊下に移動させます。

投稿者: 秋山繁治 日時: 19:14| | コメント (0)

2011年08月27日

第13回両生類自然史フォーラム(富山)

13:20~14:20 「遺伝子からみた生き物の多様性」(富山大学理学部生物学科・山崎裕治)、14:45~17:00 口頭発表6件「埼玉県の両生類」(藤田宏之)、「富山県の両生類」(南部久男、福田保)、「2010年富山県内における高田型トノサマガエルの生息確認」(川内一憲、藤井豊、田中幸枝、百﨑孝男、小鍛冶優)、「飼育下におけるナガレタゴガエルの産卵事例」、(百﨑孝男)、「両生類の病気の最近の話題」(岩尾一)、「両生類のミクロ解剖学・口腔編」(熊沢雅彦、横須賀宏之、石山已喜夫、吉江紀夫)、16:15~17:00 総会、という内容であった。

投稿者: 秋山繁治 日時: 20:13| | コメント (0)

2010年05月01日

ミネソタ大学の博物館で何を見つけたか

ホームステイさせていただいている方が、ミネソタ大学に社会人として勉強のために通っているので、その伝手で、サンショウウオやカメを見ることができる場所を問い合わせていただいたところ、大学に附設されている自然史博物館(Bill museum)に、飼育されているという情報が得られた。猶予は1日しかないので、朝からミネソタ大学に向かった。そして、幸運にも、トラフサンショウウオ(Tiger Salamander)とカメ(Painted Turtle)に会うことができた。

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ミネソタ大学のベル博物館の入り口

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展示

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カメは子どもの人気者

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トラフサンショウウオ

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両生類の餌


投稿者: 秋山繁治 日時: 17:26| | コメント (0)

2010年02月01日

サンショウウオの世話の仕方を下級生に伝授

 生命科学コース2年生は、サンショウウオを材料に1年間、課題研究に取り組んできた。発生生物学研究グループでは、年度末の時期に2年生から1年生に研究内容を伝えるとともに、サンショウウオの扱い方についても教えることになっている。

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二年生が1年生に研究内容を伝える

投稿者: 秋山繁治 日時: 18:53| | コメント (0)

2009年05月12日

サンショウウオに毎朝餌やって、昼は水換え、放課後は発表準備

毎朝、始業前の午前8時から8時半まではサンショウウオに餌を与える時間、昼食を取った後、5時間目が始まる午後1時までが水を換える時間、そして、今週は16日に高知大学でポスター発表をするので、ポスター作成と発表の練習が放課後の時間に予定されている。ポスター発表で動物分野に1件、生態・環境分野に1件の発表を予定している。研究グループ構成員7名のうち4名が、土曜日の朝、高知大学に向かう(もちろん日帰り)。とても充実した忙しい毎日だ。

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昼休み・・・水の交換

投稿者: 秋山繁治 日時: 13:01| | コメント (0)

2009年05月10日

オオイタサンショウウオ変態が本格化した生物教室

オオイタサンショウウオが変態し、陸上に上がる時期がきた。今が飼育数最多の時期。飼育作業と並行して学会発表の準備で生徒は登校している。朝から夕方6時まで頑張っている。我慢強く熱心に取り組んでいる生徒は、大学に行っても必ずしっかり勉強してくれる。動物を飼育させれば、生徒の素養が理解できる。百貨店の部長が、新入社員の仕事に対する素養を「トイレ掃除」で見抜くように、生物の研究に取り組めるかどうかは「動物飼育」によって判断できるのではないだろうか。

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生物教室の現状

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恒温器の中にも幼生


投稿者: 秋山繁治 日時: 18:43| | コメント (0)

2009年03月15日

オオイタもカスミも自宅池で産卵

自宅の池でオオイタサンショウウオもカスミサンショウウオも産卵を確認した。両方とも発生は正常なので、ちゃんと受精していると考えられる。

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自宅池

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産みつけられたオオイタサンショウウオの卵嚢

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カスミサンショウウオの卵嚢は水草に付着

投稿者: 秋山繁治 日時: 09:12| | コメント (0)

2009年02月23日

生物工学会誌に「女子校で有尾類と付き合って20年」が掲載

生物工学会誌第87巻・2009年2月号に掲載

 2009年1月24日、九州は今年一番の寒波、午前10時、毎年訪問する山間の湿地。ここはオオイタサンショウウオの繁殖地、静かな林の中で、水の音がした。その方向に目を向けると、溜りの水面が波打っていた。近寄ると約20匹のオオイタサンショウウオが群がって産卵をしている最中であった。自然産卵の場合、カエルなどは水温が上がったときに産卵すると記載されているのを常識にして、冷蔵庫などで低温にしておけば産卵が抑えられると考えていた。この日の気温は0℃。産卵終了後の水温を測ると3℃、水底の泥の中でも5℃であった。雪花が舞う日中に、産卵しているなんて全く想像していなかったことである。サンショウウオは、低温でも繁殖行動は抑えられず、昼間でも産卵するということを、今回の野外観察から学ぶことができた。
 そもそも、有尾類を研究するようになったのは、1989年3月、同僚が自宅の畑の一角にある溜りで採取した正体不明の一対の卵嚢が何であるかと生物教室に持ち込んだことがきっかけである。孵化した幼生は、カエルの幼生と異なり、外鰓を持っていた。これがサンショウウオ(カスミサンショウウオ)だったのだ。2ヶ月程で変態した。試行錯誤しながら飼育し2年後初めて産卵させることができた。繁殖に成功したことが話題となり、新聞に記事が掲載され、それ以後、生態や分布などについての問い合わせが多くなり、私自身がサンショウウオについて詳しくならざるを得ない状況に追い込まれてしまった。
 卵の発生や繁殖行動の観察のため、野外に出かけることが多くなった。まだ暗いうちに自宅を出、産卵直後の卵嚢を採取するために、夜明けの時刻ちょうどに繁殖地に到着し、卵を採取し、朝礼前に学校に到着するという生活を1ヶ月間続けたこともある。飼育を始めて20年、生物教室はサンショウウオやイモリの飼育ケースでいっぱいになり、有尾類に特化した動物園に変容した。
 サンショウウオとの思いがけない出会いから始まった研究だが、野外での観察や調査を続けるごとに、有尾類の研究にとどまらず、環境問題も見えてきた。年々有尾類生息数が減っている。人里に近い環境に棲んでいる種(カスミサンショウウオ・オオイタサンショウウオ・アカハライモリなど)ほど、近年人間の活動の影響を受けて繁殖地を激減させ、個体数を減らしている。理由はいろいろ考えられる。①水田側溝に敷設されたコンクリート製のU字溝が徘徊性の動物にとって、陸上と水域を分離する「死のトラップ」になっている。②コンクリート水路は自然の自浄作用を失わせ水底がヘドロ化し水質の悪化を招き嫌気的な条件で幼生が育たない腐敗した水をつくってしまう。③ゴミ投棄によって生息地が汚染される。(産卵場所は人里離れた環"であることが多くそんな場所ほど不法投棄の場所になりやすい。)④ペット指向の多様化を受けペットショップでカスミサンショウウオやイモリが売られている。これまで家庭で飼育されることが少なかった両生類すら乱獲される可能性が出てきている。⑤アメリカザリガニなどの外来生物やツボカビ病などの影響。その他まだまだあるだろう。有尾類は、幼生期を水中で生活するため、水質の影響を受けやすく、卵も受精直後からゼリーに包まれただけの姿で発生する。成体になっても皮膚には毛も羽毛も鱗も無く、大気や太陽光に直接さらされている。これらの特徴ゆえに、環境破壊の影響を受けやすい生物なのである。オオイタサンショウウオとイボイモリは、環境省の2000年レッドデータ・ブックで、「絶滅危惧Ⅱ類(VU)」になっている。
 このような問題点を見つけてしまうと、私にも何かできないかと思った。現在、生物教室で飼育しているのは、サンショウウオ科では、カスミサンショウウオ・オオイタサンショウウオ・ブチサンショウウオ・ヒダサンショウウオ、イモリ科では、アカハライモリ・シリケンイモリ・イボイモリ・ミナミイボイモリである。その内のオオイタサンショウウオとイボイモリを使って、飼育下での繁殖を試みてみた。オオイタサンショウウオは、多くは卵から約3年(早いものでは2年)で繁殖可能になる。ゴナトロピン注射を使っての人工授精や水槽での自然産卵に成功した。また、イボイモリは、人工授精は試みていないが、水槽飼育下での自然繁殖に成功した。
 しかし、人工繁殖させて自然に帰しても、生息数の減少を引き起こした原因の解明と解決がない限り、個体数の増加には繋がらない。また、飼育された個体を自然に帰すこと自体の問題も考えなければならない。この20年間、有尾類と向き合うことでいろいろなことを考えさせられた。女子校だから、女子しかいない。おおよそ女子には気持ち悪がられる(?)有尾類だが、生徒たちは毎日餌やりという生物との対話の中で、何かを感じてくれていることだろう。

投稿者: 秋山繁治 日時: 12:06| | コメント (0)

2009年02月05日

雑誌ソトコト2009年3月号に生物部の紹介

雑誌ソトコト3月号(http://www.sotokoto.net/sotokoto/)の「LOVE&ボランティア148のNPO・NGO」に生物部が紹介されています。本日発売です。

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清心女子高生物部の紹介記事

投稿者: 秋山繁治 日時: 20:00| | コメント (0)

2009年01月24日

オオイタサンショウウオの野外での産卵行動観察に成功

オオイタサンショウウオについては、今まで室内での人工受精、水槽内での自然産卵などを行ってきたが、野外で産卵を観察できたのは2回目。1回目はカメラやビデオを携帯していなかったので記録できなかったが、今回はじっくり観察できた。往復で1000km、出かけた甲斐があった。水槽での自然産卵と比較したかたちで、レポートにまとめたい。

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雌に群がる雄(目視で17匹)

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産まれた卵嚢に抱きつく雄(中央)


投稿者: 秋山繁治 日時: 23:40| | コメント (2)

2009年01月22日

カスミサンショウウオの繁殖池の復旧作業

昨年から、土砂の流入で乾燥化が進んで、カスミサンショウウオが産卵できなくなった場所(玉野市)の復旧作業をしている。春に掘った穴に水が溜まっていたので、今日は、さらに掘り下げるとともに、流出する水路を造成した。あいにくの雨だった。
 幼生の放流は今年の春に実施したが。性成熟には最低2年かかるので、今年産卵するとは考えられない。卵嚢が確認できれば、隠れていた成体が産卵にきたものと考えられる。産卵期の調査が必要だ。

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作業中の生徒たち

投稿者: 秋山繁治 日時: 20:54| | コメント (0)

2009年01月18日

両生類を守るには

2003年発行の『水環境学会誌(日本水環境学会)』のVol.26 No.5に投稿した「ため池の脊椎動物(魚と両生類)」から抜粋

 両生類の生息については,ため池を含む水田環境が大きく変化したことから派生した影響が大きいことがわかった。また,管理されてきた従来の里山環境が失われてきたことと,人為的な圧力が大きな影響を及ぼしていることもわかった。農業については,担い手が少なく,しかも高齢者が多いことなど社会的な問題も含んでいるので,簡単に元にもどせるものではない。農業のあり方を変えるには,効率化を優先してきた社会システムそのものを再考する世論が必要である。このような状況で,私たちにどのようなことができるだろうか。一番大切なのは「多様な生物が生きられるような環境にしたい」という共通認識を社会全体でもてることである。私は,教員としての立場から,次世代への自然環境の理解を進める教育が「共通認識」に資せる役割は大きいと考える。
 岡山県内の中学理科教師(231人)に両生類についてのアンケートを実施したことがある。教科書に載っている,アカハライモリを直接見たのが64.9%,それに対して,教材として利用したのはわずかに3.9%であった。教師自身が見た経験はあっても,実際に授業で使われることは少ない。さらに,高校では,生き物に触れる機会はもっと少ないことが想像できる。身近な生物に触れる自然体験を豊かにすることから,自然への理解が進み,そのことが自然環境へ目を向けさせることにつながるのだと考えている。
 そして,「保全」の考えを「影響が少ないようにする」視点から「身近な自然を取り戻す」前向きな視点へと変換して取り組むことが今の大人の世代から次の世代へわたす最大の贈り物になるのではないかと考える。
 サンショウウオ類については,トウキョウサンショウウ,カスミサンショウウなどについての生息調査や繁殖実験がなされている。石川県羽咋市では1979年にホクリクサンショウウオを天然記念物に指定して,増殖池の造成などの取り組みもなされている。

投稿者: 秋山繁治 日時: 23:05| | コメント (0)

両生類の現状

2003年発行の『水環境学会誌(日本水環境学会)』のVol.26 No.5に投稿した「ため池の脊椎動物(魚と両生類)」から抜粋

 最近,各地で「トノサマガエルをあまり見なくなった」などと,よく知られている両生類すら少なくなっているとことを示唆する話を聞くことが多くなった。次に,両生類の生息に悪影響を及ぼす環境について考えてみたい。
 まず,最も大きく影響しているのは,水田の宅地化によって水田そのものが減少したことである。さらに,生産効率を上げるための農法の変化や,それに伴う圃場整備の影響も大きい。稲作が機械化され水田に水を張る時期が遅くなり,稲の成育期以外は乾田化された。そして,圃場整備によって水田の区画は大型化され,畦は直線的に区画整理され,水田側溝はコンクリートのU字溝に変わり3方コンクリートの水路に流れ込む排水路の役割に特化した。水路の流れは生物を寄せ付けない速い流れになっている。乾田化によって湿地を失い,水路は生物が棲む場所ではなくなってきているのである。
 水田の乾燥化で,湿田を消失したことが大きく影響した例は,絶滅危倶II類(VU)に選定されているダルマガエルがある。トノサマガエルに比べて,足が短くジャンプカが弱いので移動する能力が低く,湿地に住み着くような生活をしてきたので,湿地そのものの減少という変化をまともに受けて激減している。また,サンショウウオ類の産卵には,ため池に近い場所が利用されるが,そのような場所にある水田は人手が入りにくいので放棄されて乾燥化してしまっている。
 水田側溝にはコンクリートのU字溝が使われており,陸上と水域を分離する「死のトラップ(落とし穴)」になっている例が報告されている。私自身も,水路工事後の乾燥化した河川の底に卵をもったカスミサンショウウオが死んでいるのを目にしたことがある。工事後数年間は生きながらえた成体が産卵Lにくるが,徐々にその数は減少していくのが常である。また,宅地開発が山際の領域まで進み生息地の一部が埋められ,残された繁殖場所が住宅団地に接してしまっている場合も多い。そのような場所はコンクリートで側面が固められ,排水のためのコンクリート水路が整備されている。
 また,自然が残り,カタクリなどの貴重な植物が繁殖する場所は観光地として整備される場合があるが,このような際にも,建物が立てられ,美観のために水路がコンクリート化されるので,地掘りの水路は乾燥したコンクリート水路になってしまっている。
 次にゴミの投棄によって生息地が汚染される場合がある。サンショウウオ類の場合,多くの産卵が確認される場所は,まだ開発が進んでいない場所が多い。そのような場所は人里離れた環境であるため不法投棄の場所になりやすい。実際に岡山県内のカスミサンショウウオの生息地でも,冷蔵庫や自転車,バイク,瓦礫などが産卵場所に投げ込まれている状況がある。大型ゴミ引取りの有料化の煽りを小動物が受けている。
 さらに,ペットショップにサンショウウオが売られている場合がある。岡山県では,カスミサンショウウオが販売されている。人間のペット指向の多様化を受けて,これまで家庭で飼育されることが少なかった両生類すら乱獲される可能性があるのかもしれない。生活力の強い帰化生物によって,生態系のバランスが崩れ,もともといた日本の生物が減少したり,絶滅したりする。ウシガエル(北アメリカ原産)は食用目的で移入されたが,今では野生化している。目の前に動くものは何でも口に入れることから,他のカエル類なども捕食していることが考えられる。他には,害虫駆除のために移入されたオオヒキガエル(北アメリカ・南アメリカ原産)などの影響も心配されている。

投稿者: 秋山繁治 日時: 23:00| | コメント (0)

両生類と水辺環境

2003年発行の『水環境学会誌(日本水環境学会)』のVol.26 No.5に投稿した「ため池の脊椎動物(魚と両生類)」から抜粋

 両生類の「両生」とは,陸上でも水中でも生きれるという意味ではなく,陸上と水中の両方がないと生きていけない,つまり陸上生活に移行したものの完全に適応できず,陸上と水中の両方の環境を必要とする仲間であることを意味する。日本に生息する両生類は,大きく分けると,カエル目(有尾目)と,サンショウウオ目(無尾目)に分けられるが,種によって水辺環境の利用の仕方は大きく異なっている。
 カエル類では,アフリカツメガエル(アフリカ原産)のように成体になっても上陸しないで,一生を水中で過ごす種もあるが,日本で生息する種はすべて,貯化した幼生は水中で成長するが,成体になると陸上で生活する。成体の生活の場は水辺であって水中ではない。ヒキガエルは典型的で,春に池で産卵すると,次の繁殖期まで水辺を離れてしまう。ニホンアカガエルやこホンアマガエルも,繁殖期が終われば,周囲の草むらや林の中に生活場所を移している。
 サンショウウオ類は,大きくサンショウウオ科とイモリ科に分けられるが,サンショウウオ科では,さらに産卵する水辺環境の違いから止水性と渓流性に分けられ
る。ため池周辺の環境を利用するのは止水性の種である。西日本では,カスミサンショウオと絶滅危倶II類(VU)に選定されているオオイタサンショウウオがいる。繁殖期に湧水が流れ込むため池の浅い溜まりや水田側溝(止水)に入り,雌は一対の卵嚢を木の枝などに産みつける。繁殖期以外は陸上で過ごしている。イモリ科では,アカハライモリがよく知られているが,成体になっても水中で過ごすことが多く,冬期も水中の泥の中で数百匹が塊になって過ごしていることもある。

投稿者: 秋山繁治 日時: 22:19| | コメント (0)

2008年08月05日

SSH生徒研究発表会 清心女子高 発表要旨

口頭発表題目 「サンショウウオの人工繁殖」 1826ノートルダム清心学園清心女子高等学校

1.日本のサンショウウオの現状
両生類の「両生」は、水中でも陸上でも生きられるという意味ではなく、幼生は水中、成体になって陸上で過ごす、つまり、水中と陸上の両方の環境がないと生きていけないことを意味する。両生類は、有尾目(オオサンショウウオ科、サンショウウオ科、イモリ科)と無尾目に大きく分けられる。日本に生息しているサンショウウオ科(サンショウウオと略記)は、18種である。
孵化したサンショウウオの幼生は、鰓呼吸をしながら水中で生息する。変態し肺呼吸ができるようになった成体でも、ほとんど水辺を離れない生活をしている。卵や幼生段階でその多くが他の動物によって捕食されるため、生活史の初期段階生存率は低く、成体になってからの高い生存率と長い寿命が種の存続を維持しているといえる。繁殖可能な成体は、多くの犠牲を払い生き残った貴重な個体ということになる。

2.生物部の研究
 人為的な圧力が、世界的な規模で両生類の生存に大きな影響を及ぼしていることが話題になっている。私たちにどのようなことができるか考え、サンショウウオの人工繁殖について研究を始めた。この研究は、カスミサンショウウオ(1989年~)と絶滅危惧Ⅱ類のオオイタサンショウウオ(1999年~)について、“幼生の飼育”と“繁殖方法の確立”を目指して取り組んできた。

 “幼生の飼育”…自然界では、捕食・水量の変化・水質などが影響する。幼生の死亡率が高いことから、飼育下で、密度・餌の与え方・共食いの生存率への影響を調べ、人為的に保護する方法を探求した。

 “繁殖方法の確立”…水槽での“自然産卵”や飼育個体から卵と精子を採取しての“人工受精”に挑戦した。“自然産卵”には、隠れ家になるような自然を模した環境が必要であることがわかった。また、“人工受精”では、繁殖可能になるまで2年以上必要であることや、卵は摘出後、1日以上受精能を保持することがわかった。

 現在、低温条件の影響、成長の性差や雌雄を決定する遺伝子についても実験を進めている。

投稿者: 秋山繁治 日時: 09:44| | コメント (0)

2008年03月15日

イボイモリが2008年も産卵しました。

今年も水槽で飼育しているイボイモリが産卵しました。確認できた卵は48個です。

投稿者: 秋山繁治 日時: 19:45| | コメント (0)

2008年01月21日

「生き物の形をどのように考えるか」JT生命誌研究館・橋本主税先生

科学的な考え方、視点についての説明から、両生類の発生におけるオーガナイザー働きの説明及び従来の考えの間違いの指摘及び実験的証明のアイディアの提示まで一気に90分間で話された。そして、最後に、本校で行われている課題研究でできる発展的テーマ(発生生物学の分野のさらなる理解に貢献できる可能性がある実験)を宿題としていただいた。

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”客観的”に考えるとは・・。

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オーガナイザーはどのように働くか

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従来の体軸のでき方の説明

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橋本先生の体軸のできかたの説明

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オーガナイザーの働き方の説明

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オーガナイザーの発見者の話


投稿者: 秋山繁治 日時: 18:32| | コメント (0)

2008年01月15日

「胚操作とバイオイメージング」 山口大学・岩尾康宏先生 

生命科学への新しいアプローチとして、胚を処理し観察しやすくする方法(バイオイメージング)についての講演であった。特に、精子の先体反応、受精の仕組み、卵割におけるカルシウムイオンの役割、胚の透明化処置、細胞分裂の紡錘糸の観察などについて、詳細に説明してくださった。

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精子の先体反応の観察

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受精直後のCaイオンの観察

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透明化した胚で、細胞分裂の観察

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研究協力体制についての話

【生徒の感想】
 先生の講演は本当に高度なものでした。今までも生物の発生などについていくつかお話を聞いてきましたが、今回の先生のお話は特に、高校生だからといって話を大まかに簡単にというのではなく、私たちにもできる限りたくさんのことを教えてくださっているんだなと感じました。すでに教科書に載っていたりして人々の間で常識とされているようなことではなく、先生自身が今研究されているという最先端の内容だったと思います。印象的だったのは、映像や画像がすごく多かったということです。卵割や原腸形成の様子など、話だけでは想像しにくいところも、すごくきれいな動画や写真が本当にたくさんあって、かなり理解が深められたと思います。そういった画像こそが、先生の研究の方式“ライブセルイメージング”であり、今現在の発生の研究に少しでも触れることができたと思います。
 生殖補助技術について初めていろんなことを知りました。よく“不妊治療”と言われますが、その言い方自体が古いということすら初めて知りました。また、この技術にはさまざまな種類があるということもわかりました。体外受精というのは最近耳にしますが、現在この体外受精で生まれた子供は確か10万人、
12人に1人と言われたのがすごく驚きでした。どれほどこの技術が普及しているのかということがよくわかりました。その他にも顕微受精(ICSI)というのがあって、これなら最低卵1個と精子1個で確実に受精させることができるということを聞いてすごいなと思いました。しかし、先生も言われていたように、生殖補助技術は倫理的な問題ともかなり密接に絡んでいて、きっと日々新しい技術が生み出されていくのだ思いますが、その中でみんなが納得するような技術を選んで使っていかなければならないので、大変だとは思いますが、すごく将来性のある話だと思いました。それから、先生のお話にはわかりやすい例えがよく用いられていて、実際は顕微鏡の中の話なので大きさを言われても想像がつきにくいのですが、身近な大きさの比に例えてくれたりとか、私たちがよく知っているもので例をあげてくれたりして、とてもわかりやすかったです。
 受精卵の外側を透明にして観察するというのには本当に驚きました。そういう全く新しい発想が浮かぶのもすごいと思いました。やっぱり科学者・研究者というのは、人とは違う全く新しい実験をしていくために、すごい想像力とか計画性が必要なんだなと改めて感じました。他にも、カエルの卵が包まれているゼリー状の物質のでき方など、当たり前だと思いこんでしまって普段“どうして?”と感じないようなことまでも先生に一つ一つ教えていただけて、すごく納得することが多かったです。この受精と初期発生の実験は今は両生類でのみ行われていることですが、これから他の生物にもどんどん応用されていき、いつかはその研究結果がヒトにも活かせるとか、ヒトが生きていく上で役立つことになるかもしれません。どんな実験が成されていくのかとても興味があります。

投稿者: 秋山繁治 日時: 17:57| | コメント (0)

2007年12月12日

生物部紹介のパネル作成

生物部の活動紹介のパネルを作成した。生物部は、「岡山県内に生息する有尾類」を中心に野生動物の保護に部活動として取り組んできたが、2006年に清心女子高等学校が文部科学省の指定を受け、「女子生徒の理系進学支援」を掲げて「生命科学コース」を設定したのを受けて、生命科学コースの生徒を中心にして、研究テーマを“環境問題”に拡げて研究している。

Short presentation of the idea/ Problem or challenge that the project addressesWe had been working ,as one of our club activities, on protection of wild animals including “The urodele living in Okayama.” In 2006, our school established a “life science course” to support female students interested scientific fields, and at the same time we were appointed as SSH by the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology. Now the life science course members are taking the lead in studying a more extended theme, “Environmental Problems.”

Current stage in development and major achievements
In 1999, to plan and conduct the “Meeting of the young generation to protect clean rivers”;
From 2000 to 2003, to participate in subsidy projects for the conservation of clean rivers, especially in water quality surveys and the habitat environment of newts;
In 2006 to present the “Estimation of absorbed amount of CO2 by Japanese cypresses”;
In 2007 to present the “Study of the growth and reproduction of Hynobius dunni ”, the “Extraction and classification of flower yeast and its function” and the “Relationship between blossoming and the biological clock”

Challenges in implementation
We have many advantages in our studying environment thanks to a lot of advice and actual guidance in doing experiments from Okayama University, Fukuyama University, Kawasaki Medical University and Okayama University of Science. On the other hand, we have had some trouble finding enough time to do our activities after school.

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投稿者: 秋山繁治 日時: 19:52| | コメント (0)

2007年12月07日

川崎医大のオオサンショウウオが山陽新聞で紹介

12月7日の山陽新聞に、川崎医大のチュウゴクオオサンショウウオ2匹の飼育期間が、推定48年に達し、医師シーボルトがオランダに持ち帰った個体の約51年間とされる飼育記録に迫っていることが紹介されていた。飼育されている2匹は、西松先生が2000年4月から篠崎先生の研究室から譲り受けたもので、全長が1.35mと1.29mの大きな個体である。これまで産卵などの性徴がないことから両方とも雄と考えられている。

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2000年5月15日(川崎医大に輸送されたときの姿)

投稿者: 秋山繁治 日時: 19:01| | コメント (0)

2007年06月11日

イボイモリ幼生が上陸準備段階

 幼生は、上陸前に鰓が小さくなり、体色が濃くなる。写真の2匹は、孵化日は同じだが、一匹が上陸前の段階の形態変化をしている。

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上陸前、全体的に体色が濃くなる

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頭部にも色素が増えている

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体色が薄い方の幼生

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頭部の色素が薄い。


投稿者: 秋山繁治 日時: 20:07| | コメント (1)

2007年05月28日

児島地域のカスミは今。

 登校する前、早朝、カスミサンショウウオを観察してきました。県南(児島地域)では、まだ幼生を確認できました。かなり小さな個体もいたので、5月に入ってからの産卵があったかもしれません。

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小さな溜まりで確認

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カスミサンショウウオの幼生


投稿者: 秋山繁治 日時: 10:46| | コメント (0)

2007年05月23日

カスミサンショウウオ幼生に共食い個体が出現

 生徒とカスミサンショウウオの幼生の飼育実験を密度効果に絞って実施しているが、共食い個体が出現している。特徴は、共食いをする個体は、同じ環境(同じ容器)で育っていても大型で、口が大きく、変態前の段階をむかえた個体の大きささえ凌駕している。

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全体的に共食い個体は大きい。頭胴長が28.11mm、全長55.72mm。

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頭も大きい。胴幅が8.73mm

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変態前の個体の頭胴長は21.91mm、全長40.46。頭幅は5.29mm。

投稿者: 秋山繁治 日時: 21:29| | コメント (0)

2007年05月20日

高地型カスミサンショウウオの卵嚢と成体雄を確認

 岡山県北部で、カスミサンショウウオの3箇所で卵嚢(2対、3対、2対)を確認した。2箇所では、卵嚢付近に成体雄も確認できたので、5月末でも産卵している可能性がある。

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卵嚢中の卵数が低地方に比べて少ない。

投稿者: 秋山繁治 日時: 22:54| | コメント (0)

2007年05月16日

オリンパス実体顕微鏡SZX16の画像(ブチサンショウウオ)

 真庭市の渓流で採取したブチサンショウウオの卵嚢を実体顕微鏡で撮影してみました。

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神経胚を過ぎています。

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脊椎骨を形成している。


投稿者: 秋山繁治 日時: 19:27| | コメント (1)

オリンパス実体顕微鏡SZX16の画像(ヒダサンショウウオ)

 13日に採取した卵嚢の中で幼生が受精膜を破って孵化したので、実体顕微鏡で撮影してみた。
撮影は、実体顕微鏡に取り付けたオリンパスDP20で撮影している。操作はすべてパソコンでおこなう。

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パソコンの撮影の操作画面

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卵嚢の膜を破く前の幼生

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孵化直後の幼生


投稿者: 秋山繁治 日時: 13:28| | コメント (0)

2007年05月13日

岡山市真庭市でヒダサンショウウオの卵嚢

 渓流の中の岩の下にヒダサンショウウオの卵嚢を2対確認した。卵嚢付近に成体がいることが多いが、今回は確認できなかった。産卵後、かなりの時間が経過しているようで、胚は幼生に成長し、卵嚢の中で、泳いでいる様子が確認できるまでに成長しているものもいた。

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ヒダサンショウウオの2対の卵嚢。

投稿者: 秋山繁治 日時: 21:10| | コメント (0)

岡山県真庭郡のブチサンショウウオ(成体と卵)

ブチサンショウウオの姿を見た。岩の下に卵2対とともに成体雄が一匹潜んでいた。卵は、神経胚を過ぎ、尾ができ始めている。

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ブチサンショウウオの特徴である銀色の斑紋。

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卵嚢は2対、卵黄表面はしっかりしている。

投稿者: 秋山繁治 日時: 20:57| | コメント (0)

2007年05月08日

オオイタサンショウウオの飼育

 4月30日孵化したものは5月7日から、5月1日孵化したものは5月8日から餌を与えている。孵化後、6日から餌を与えているのは、孵化直後は餌を食べないが、約一週間後には、接触可能になり、そのまま放置すると、共食いを開始するので、ぎりぎりまで放置できる限度が6日間と考えているからである。

投稿者: 秋山繁治 日時: 11:08| | コメント (0)

2007年05月05日

県北は、田植え最盛期

 子どもの日に県北のイモリ調査に行った。目的は、2001年からマイクロチップをイモリ体内に注射して、寿命や行動範囲を見ているので、マークした個体を最捕獲して確認することと、イモリの雌雄の決定遺伝子を調べる実験を開始するので、材料としてのイモリを捕獲することだった。捕獲したイモリの中に、尻尾を失って再生した形跡のあるイモリを見つけた。

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水田の中で、配偶行動が見られる

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数百匹のイモリは再捕獲。そのその後、放流。

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後足に近い部分から再生している。

※ 学術振興会の科学研究費でマイクロチップを注射している。経費は1チップが800円なので、もし業者などが僕の調査場所でイモリを捕獲すると研究に致命的なダメージなるので、すごく心配している。沖縄のシリケンいもりなどは、かなり捕獲圧が高く、生息地にダメージを与えているそうだ。

投稿者: 秋山繁治 日時: 19:05| | コメント (0)

2007年05月04日

オオイタサンショウウオの変態(上陸)

 オオイタサンショウウオの卵は、実験室(約20℃)で飼育すると早いものでは、2ヶ月で鰓が急に小さくなり上陸の準備にかかる。しかしながら、毎年、3ヶ月以上変態しないで幼生の形態を維持したままの個体が現れる。全体的に、体色が薄く、体型が”頑強な”イメージの個体である。2月1日孵化した幼生は、今日の段階で、上陸していないのは、下の写真の個体だけである。

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全長57.5mm、頭胴長32.4mm

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鰓が大きく複雑に発達、頭幅10.8mm


投稿者: 秋山繁治 日時: 17:01| | コメント (0)

2007年04月28日

孵化後2ヶ月飼育して、カスミサンショウウオ幼生を放流

 2月28日に孵化したので、今日でちょうど2ヶ月になる。としかく二ヶ月間、飼育下で保護し、放流することでどのくらい繁殖場所の生息数に影響するかが楽しみだ。卵を採取した場所(上流の溜まり)は、枯葉に埋まった状態だったので、枯葉を除去して、水溜りを復活する必要があった。放置していてもかなり厳しい状況だったと思う。上流の溜まりには、120匹を放流した。台風前は多くの卵のうが確認できた場所(下流の溜まり)で、幼生を探したが、一匹も採取できなかったので、今年は産卵がなかったと思われる。下流の溜りには、284匹を放流した。その他に、少し離れた場所で、幼生が確認できた場所に30匹を放流した。2007年度は、全部で424匹を放流した。

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幼生を確認できた場所が一箇所。

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不法投棄されてた粗大ゴミ

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タッパー1個に20匹を入れて、22箱放流。

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放流に参加した生徒は2人

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放流すると元気よく泳いで行った。移動による死亡は0


投稿者: 秋山繁治 日時: 17:25| | コメント (0)

2007年度のカスミサンショウウオの野外への放流

 今年も飼育したカスミサンショウウオの放流の季節がやってきた。土曜日でも、生命科学コースの生徒は午前中は授業なので、午後から繁殖地に向かう予定である。下は放流前の最後の写真。

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飼育しているバット

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変体直前の幼生

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3匹はすでに鰓を失って変態完了

毎年、変態を始めて陸上生活を始める個体を見つけた時点で放流している。それは、幼生期に天敵に襲われやすいのを避けたいのでできるだけ長く保護したいというのと、変態してしまってからでは、野外生活に適応しにくいのではないかということを考慮してのことである。体長約39.00mm。

投稿者: 秋山繁治 日時: 13:09| | コメント (0)

イボイモリの産卵期

イボイモリがまた、産卵を始めた。水槽の水辺近くの石や板の下に隠れるようになり、たまに水の中に入ったりする個体を確認できるようになると産卵が近づいている証拠のようだ。今日は、119個の卵を確認した。

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卵の付近にいたイボイモリ成体

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確認した199個の卵

投稿者: 秋山繁治 日時: 11:15| | コメント (0)

2007年04月25日

イボイモリが今年も産卵・・・。

 イボイモリが今年も産卵しました。正常に発生しているものは少ないですが、すでに幼生の姿になってきています。

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幼生の形で、鰓も見えます。

投稿者: 秋山繁治 日時: 18:55| | コメント (0)

2007年04月19日

オオイタサンショウウオの1年経過した個体の計測

 第二回の作業は、昨年3月に孵化した個体の計測を行った。成熟にいたる段階的な変化まで、チェックできると考えている。また、先週から毎日、幼生の飼育を継続して行って、密度の変化及び個体の成長の変化を観察している。毎日観察から、新しい疑問点などをもって、取り組んでくれることを期待している。

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電子ノギスで頭同長を計測

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ちょうど、孵化後一年経過した個体

投稿者: 秋山繁治 日時: 18:29| | コメント (0)

2007年03月25日

自宅人工池に産卵・3年連続

今年で、三年連続で自宅に造成した人工池にオオイタサンショウウオが産卵した。産んでいた池は、彫った土の穴に防水シートを敷いただけの簡単なものである。池には、学校で飼育していて、弱って死にそうになったものや、逃亡して飼育年数が分からなくなったものなどを放流していた。一対(二個)の卵嚢があるときことは、一匹のメスが産卵したと考えられる。今年、2月に水底に潜んでいるオスの姿をみたので、少なくともオス一匹、メス一匹は生息しているのは確実である。卵嚢中の卵数が多いので、数年を経た、大きな個体だと推測される。

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産卵を確認した人工池

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産み付けられていた卵嚢

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投稿者: 秋山繁治 日時: 11:23| | コメント (0)

2007年03月11日

ツボカビ症が7ヶ所で、合計19匹感染

 琉球新報2007年3月11日の記事によると、ツボカビ症と認められたカエルは東京、埼玉、北海道、静岡で7ヶ所で、合計が19匹が確認されているということである。中南米産4種、南米産2種、オーストラリア・ニューギニア原産1種の合計で7種になっている(2007年3月6日現在)。まだ、サンショウウオやイモリの仲間では、確認されていない。

投稿者: 秋山繁治 日時: 15:05| | コメント (1)

2007年02月21日

岡山市のK山でカスミサンショウウオ卵嚢を新たに確認

新たに2対(54個+68個、94個+107個)を岡山市K山で確認した。岡山は、卵数が一般的に少ないが、見つけた卵嚢は大きく、年齢を重ねた大きな雌だと考えられる。

投稿者: 秋山繁治 日時: 21:50| | コメント (0)

2007年02月17日

岡山市内でもカスミサンショウウオが産卵

 岡山市内でも、カスミサンショウウオの産卵を確認した。一箇所に3対が産み付けられており、神経胚後期で神経管ができているものや、尾芽胚になっているものもあった。

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枯れ枝に3対の卵嚢が産み付けられていた

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神経版が閉じてきている時期の胚

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幼生の姿に変化してきている尾芽胚


投稿者: 秋山繁治 日時: 18:47| | コメント (0)

2007年02月16日

2004年産オオイタサンショウウオの水槽での産卵

今日は、小さい水槽(2004E)の中に、2つの卵嚢(64個+51個、52個+48個)が産卵されていた。隠れ場所を作らない混合飼育(雌3匹、雄4匹、不明3匹)では卵は受精しない。雄4匹は、排出孔付近が白くなっている。残りの雌の一匹は、腹部が膨らんでいるので、産卵誘発させる予定。

投稿者: 秋山繁治 日時: 21:30| | コメント (0)

2007年02月15日

生物教室のオオイタサンショウウオの産卵(集団生活)

 自然環境を模した水槽では、ちゃんと受精した卵が得られるが、集団生活で、高密度の条件では、オスがいても受精はしない。今年も、2月12日に小さな水槽でも産卵したが、未受精であった。卵嚢は66個と73個が対で、支持物はなく、産み落とされていた。産んだのは、3年目の個体(2004年産)で、全長116.6mm、頭胴長60.6mm、体重(産卵後)5.67gであった。

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3日目で、卵嚢は吸水。産卵した雌。

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集団飼育の状態(14匹が同居)

投稿者: 秋山繁治 日時: 20:12| | コメント (0)

玉野市でも、カスミサンショウウオの産卵開始

 玉野市でも、一箇所で5対の卵嚢を観察したので、産卵は最盛期に入っていると考えられる。やはり、暖冬の影響で、半月は早まっている。

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昨晩産み落とされた卵嚢(8細胞期)

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一対の卵嚢(卵数は43個と41個)

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カエルも板の下で越冬中・・・。

 今日の玉野市を中心にした調査でも、3年前の台風のときの水で、カスミサンショウウオの産卵場所に土砂が流れ込んでいる場所が多いので、産卵場所を復旧するような取り組みが必要だと感じている。同じことが、岡山市で起こっている。道路や水路がコンクリート化させている環境では、繁殖地は、自然に・・といっても無理で、人間が手立てをしない限り、減少しているのが事実である。

投稿者: 秋山繁治 日時: 19:33| | コメント (0)

2007年02月07日

水槽でオオイタサンショウウオ産卵

 生物教室内にある大型水槽で、一対の卵嚢が産卵されていた。正常に受精しており、発生段階の写真撮影が取れそうである。今年こそは、受精から孵化までの発生段階表を完成させたい。

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中央に、オオイタサンショウウオの卵嚢が見える

投稿者: 秋山繁治 日時: 19:56| | コメント (0)

北九州市のカスミサンショウウオは既に産卵最盛期

 カスミサンショウウオでは、例年3月が産卵が盛んな時期になるが、今年は2月初旬から最盛期に近い状態なっている。暖冬の影響と考えられる。

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実際の産卵の様子

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一箇所に集中的に産卵

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カスミサンショウウオの♂

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付近で見られたアカガエル

投稿者: 秋山繁治 日時: 09:38| | コメント (0)

2007年02月01日

オオイタサンショウウオの孵化

 オオイタサンショウウオの孵化した幼生が卵嚢から、次々に出てきた。

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孵化した幼生は、卵嚢の先端を目指す

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無事に卵嚢から脱出

投稿者: 秋山繁治 日時: 17:44| | コメント (0)

2007年01月29日

オオイタサンショウウオも産卵開始

 大分県ではオオイタサンショウウオの産卵が始まっている。すでに、幼生も泳いでいるので、1月上旬に産卵していると考えられる。暖冬のため、例年より産卵が早まっていると考えられる。

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たくさんの卵が一箇所に産み付けられている。
サンショウウオの卵の中で、アカガエルが越冬していた。

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同所的に、アカハライモリも生息していた。

投稿者: 秋山繁治 日時: 21:41| | コメント (0)

2006年10月22日

日本爬虫両棲類学会第45回大会(広島大学)での発表

飼育下におけるオオイタサンショウウオの繁殖
Reproduction of the Japanese Salamander Hynobius Dunni in Captivity
秋山繁治(清心女子高)
 繁殖技術の確立は、研究材料とする際に重要であると同時に、種の保護を講じるためにも必要である。オオイタサンショウウオ(大分県国東市産)について、卵から飼育した成体での繁殖を目指して1997年から飼育してきた。飼育個体(2005年2月230匹・2006年2月194匹)の体重・体長・頭胴長を記録し、2006年2月から3月に人工授精にも取り組んだ。体重・体長・頭胴長の記録から、性成熟は、同じ条件で飼育しても、個体差が大きく、成熟したものの割合が年を経るごとに段階的に増加しいく形で進んでいくものであり、早いものでは2年目(成熟個体の割合27%)で成熟することもあるが、増加率が4年目までが大きく、その後小さくなるので、4年目(成熟個体割合92%)で成熟に達することがわかった。また、雄の性成熟の方が早いこともわかった。人工授精にはゴナドトロピン(HGC)注射を用いた。雌は、注射後約3日で卵嚢を排出できる状態になる。2006年は、2年目1匹、3年目8匹、4年目13匹、5年目13匹から卵嚢を採取した。9年目の雌でも性徴が見られることから、9年間は産卵が可能であることも確認した。精子は、雄にHGC注射後、3~4日後に腹部を搾れば精子が採取できる。人工授精は、水に触れさせていな状態の卵嚢に、精子を塗り、その後注水する方法でおこなった。今回の人工授精での正常発生率は最高で9.9%であり、野外での正常発生率(調査地2006年調査96.3%)と比べて、明らかに低いものであった。さらに正常発生率をあげる方法を確立したい。

爬虫両棲類会報第2007巻第一号p59-60掲載

投稿者: 秋山繁治 日時: 18:19| | コメント (0)

日本産爬虫両生類標準和名(有尾目)

爬虫両棲類学会報 2006巻2号を参照。
2006年10月22日改訂版

両生綱 Amphibia Gray, 1825
 有尾目 Caudata Scopoli, 1777
   サンショウウオ科 Hynobiidae Cope, 1860
     キタサンショウウオ属 Salamandrella Dybowski, 1870
      キタサンショウウオ Salamandrella keyserlingii Dybowski, 1870
     サンショウウオ属 Hynobius Tschudi, 1838
      アカイシサンショウウオ Hynobius katoi Matsui, Kokuryo, Misawa et Nishikawa, 2004
      アベサンショウウオ Hynobius abei Sato, 1934
      エゾサンショウウオ Hynobius retardatus Dunn, 1923
      オオイタサンショウウオ Hynobius dunni Tago, 1931
      オオダイガハラサンショウウオ Hynobius boulengeri (Thompson, 1912)
      オキサンショウウオ Hynobius okiensis Sato, 1940
      カスミサンショウウオ Hynobius nebulosus (Temminck et Schlegel, 1838)
      クロサンショウウオ Hynobius nigrescens Stejneger, 1907
      ツシマサンショウウオ Hynobius tsuensis Abe,1922
      トウキョウサンショウウオ Hynobius tokyoensis Tago, 1931
      トウホクサンショウウオ Hynobius lichenatus Boulenger, 1883
      ハクバサンショウウオ Hynobius hidamontanus Matsui, 1987
      ヒダサンショウウオ Hynobius kimurae Dunn, 1923
      ブチサンショウウオ Hynobius naevius (Temminck et Schlegel, 1838)
      ベッコウサンショウウオ Hynobius stejnegeri Dunn, 1923
      ホクリクサンショウウオ Hynobius takedai Matsui et Miyazaki, 1984
     ハコネサンショウウオ属 Onychodactylus Tschudi, 1838
      ハコネサンショウウオ Onychodactylus japonicus (Houttuyn, 1782)
   オオサンショウウオ科 Cryptobranchidae Fitzinger, 1826
     オオサンショウウオ属 Andrias Tschudi, 1837
      オオサンショウウオ Andrias japonicus (Temminck, 1836)
   イモリ科 Salamandridae Goldfuss, 1820
     イボイモリ属 Echinotriton Nussbaum et Brodie, 1982
      イボイモリ Echinotriton andersoni (Boulenger, 1892)
     イモリ属 Cynops Tschudi, 1838
      アカハライモリ Cynops pyrrhogaster (Boie, 1826)
      シリケンイモリ Cynops ensicauda (Hallowell, 1861)

投稿者: 秋山繁治 日時: 17:32| | コメント (0)

日本産 両棲類(有尾目)標準和名

日本爬虫両棲類学会2002年10月6日総会で承認、2006年4月21日、2006年10月22日改訂

種名
Amphibia

両生綱
Caudata 

有尾目
Hynobiidae 

サンショウウオ科
Hynobius

サンショウウオ属
Hynobius abei
アベサンショウウオ

Hynobius boulengeri
オオダイガハラサンショウウオ

Hynobius dunni
オオイタサンショウウオ

Hynobius hidamontanus
ハクバサンショウウオ

Hynobius kimurae
ヒダサンショウウオ

Hynobius lichenatus
トウホクサンショウウオ

Hynobius naevius
ブチサンショウウオ

Hynobius nebulosus
カスミサンショウウオ

Hynobius nigrescens
クロサンショウウオ

Hynobius okiensis
オキサンショウウオ

Hynobius retardatus
エゾサンショウウオ

Hynobius stejnegeri 
ベッコウサンショウウオ

Hynobius takedai
ホクリクサンショウウオ

Hynobius tenuis
ヤマサンショウウオ

Hynobius tokyoensis
トウキョウサンショウウオ

Hynobius tsuensis
ツシマサンショウウオ
Onychodactylus
ハコネサンショウウオ属
Onychodactylus japonicus
ハコネサンショウウオ
Salamandrella
キタサンショウウオ属
Salamandrella keyserlingii
キタサンショウウオ
Cryptobranchidae 

オオサンショウウオ科
Andrias
オオサンショウウオ属
Andrias japonicus
オオサンショウウオ
Salamandridae

イモリ科
Cynops
イモリ属
Cynops ensicauda
シリケンイモリ

Cynops pyrrhogaster
アカハライモリ
Echinotriton
イボイモリ属
Echinotriton andersoni
イボイモリ

投稿者: 秋山繁治 日時: 15:28| | コメント (0)

2006年07月10日

イボイモリの孵化

7月1日に確認した卵は、今日(10日)すべて孵化しました。この3日間ですべて孵化したので、ほとんど同じ日に産卵されたものであることが推測されます。もちろん同じ雌が生んだ可能性が大きいです。

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孵化したばかりのイボイモリ幼生

投稿者: 秋山繁治 日時: 23:03| | コメント (0)

2006年03月29日

岡山県の有尾類について

日本にすむ有尾類は,イモリ科,サンショウウオ科,オオサンショウウオ科であるが,岡山県に生息するのは,イモリ科ではアカハライモリ1種,サンショウオ科では,カスミサンショウウオ,ブチサンショウオ,ヒダサンショウウオ,ハコネサンショウウオの4種,オオサンショウウオ科ではオオサンショウウオ1種である。いずれも日本の固有種である。特にオオサンショウオは,両生類としては世界最大の種であり,1952年に国の特別天然記念物として指定されている。
オオサンショウウオは,県北部の標高300m以上の水温の低い吉井川などの主要河川の支流や山地の渓流に棲み、ブチサンショウウオ、ヒダサンショウウオ、ハコネサンショウウオの3種は県北部の中国山地の標高500m以上の森林内の渓流に棲む。教材として選んだアカハライモリ、カスミサンショウウオの2種は,県南部から県北部まで、他種に比べて人里に近い地域に広く分布している。
 成体を捕獲することは,個体数が限られた生物集団では,自然環境での生息数の減少につながる場合があるので、できうる限りさけたい。特に,カスミサンショウウオなどの小型サンショウウオについては,岡山県では1つの生息地の個体数があまり多くないので影響は大きいと思われる。また、その生息数は、1匹の雌が1年に1対の卵嚢しか産まないことから、産卵された卵嚢の数の半分の数が産卵に訪れた雌の個体数であると推測できる。行動範囲も狭く、産卵場所も毎年一定しているので、産卵が少ない場所は個体群が少ないことを意味する。
 1989年から有尾類を調査してきたが、これまでに、個人で調査できる限られた範囲でも、5カ所の繁殖地が失われている。それぞれの具体的な原因は、学校敷地の整備工事、河川改修工事、観光地の整備工事、体育館の建設工事、道路整備工事など大規模な生息環境の変化である。その他にも、成体や卵嚢を確認できなくなった箇所が数カ所ある。
 有尾類は、湿地を含む水辺に生活している。今まで、湿地は農業にも向かない、建物も建てにくい、利用価値の低い場所であった。また、自然観察を目的とされた場所も、開発からはずされていることが多かった。しかし今では、あまり目を向けられることの少なかった山地の湿地も、ゴルフ場建設の対象になったり、自然観察の場所も、より多くの人が出入りできるように、改修工事がされるようになった。自然観察路も、整備補修されてきている。その中で物言わずひっそりと生活している小型の有尾類の仲間達が少しずつ、その数を減らしている。

投稿者: 秋山繁治 日時: 15:52| | コメント (0)

有尾類の保護

両生類は、水辺環境が全くない場所では生きることができない。カスミサンショウウオの飼育をしていて変態期に蓋をするのを忘れていて、容器の外に逃げ出した個体の多くを、水分欠如が原因で殺してしまったことがある。両生類は、水分をまったく補給できない環境では一晩で死んでしまうのである。このように水との関係が密接な両生類にとって、最近の水田の基盤整備や土地造成などの開発工事は、その生息に深刻な影響を与えている。水辺環境は生命線なのである。水田地帯や宅地を流れる河川の多くは、3面コンクリートで固められ、ため池も出水口付近だけでなく、周囲をぐるりとコンクリートで固められた姿をよく見るようになった。人間にとっては、コンクリート化は、メンテナンスに費用がかからず、管理しやすくするための合理的な方法であるだろう。しかしながら、一方で植物は繁殖しにくく、水が浄化されにくくなり、水底に汚泥がたまって悪臭を放つようになっている。また、ため池では、コンクリートの表面に藻類が付着し、滑りやすくなり、子どもが近寄るのも危険な池になり、周囲を金網の柵が取り付けられることになる。人間が近寄らないことは、子ども達にいたずらされる機会が減るということで、生物にとっていいことだろうか。コンクリート化によって、卵が孵化し成長するのに欠かせない環境の水質を悪化し、土や石の隙間にある越冬場所が無くなり、植物に群がる餌となる昆虫を減少している。湯川秀樹の「人間と自然」と題した作品の冒頭に「自然は曲線を創り、人間は直線を創る」という言葉がある。「遠近の丘陵の輪郭、草木の枝の一本一本、葉の一枚一枚の末にいたるまで,無数の線や面が錯綜しているが、その中に一つとして真直ぐな線や完全に平らな面はない。これに反して、田園は直線をもって区画され、その間に点綴されている人家の屋根、壁等のすべてが直線と平面とを基調とした図形である」。さらに話は「しかし、さらに奥深く進めば再び直線的でない自然の真髄に触れるのではなかろうか」と話は進んでいく。理論物理学の学者の話であるが、今後の自然に対する関わり方に示唆をあたえてくれるように感じられる。湯川の言う通り、人間が直線を好むのは、それが簡単な規則性に従うので扱いやすいからであろう。このように人間はこれまで合理的を求めて人間社会は発展させ、豊かにしていったのは確かである。かといって、今さら元の生活に戻すことは不可能である。では、どうしたらいいのだろうか。こういう時期だからこそ。知識を深め、人間の豊かさをあらためて問い直すことによって、人間の生活と生物の生きやすい環境のバランスを考えた新しい局面に遭遇できるのではないだろうか。両生類の保護では、繁殖地を保護するだけでなく、繁殖地に結びついた後背地の森林を含めた生態系全体の保護の必要を考えなければならない時代が到来している。
(『ため池の自然』(信山社)より一部抜粋:秋山繁治)

投稿者: 秋山繁治 日時: 15:51| | コメント (0)

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